第5章 誕生祝い to Nino
ーOsideー
ニノの誕生日当日。
開園から入りたいねということで、早朝に駅で待ち合わせしてた。
先にニノと雅紀と待ち合わせて、翔くんと潤は途中から同じ電車に乗ってくる予定。
そろそろ約束の時間なんだけど
「ニノ来ないね」
雅紀が時間を確認して呟く。
ニノがすごく楽しみにしてたから絶対遅れないように頑張ったんだけど。
肝心のニノがまだ来ない。
「楽しみすぎて寝れなかったのかな?」
「子どもみたいに?」
クスクス笑っていたら、ニノが走ってくるのが見えた。
その姿に思わず雅紀と顔を見合わせてしまった。
「ごめ···遅···なって···」
ニノがゼェゼェ息を弾ませながら謝るから、背中を擦ってやる。
「ニノ誕生日おめでとう」
「おめでとう」
まずはお祝い。
「ありがと」
照れたように笑うニノが可愛い。
「ちょうどくらいだから大丈夫だよ」
「とりあえずホーム行こう」
移動して電車を待つ間、マジマジとニノを見る。
雅紀もだ。
「な、何?やっぱり変?」
俺たちの視線に気付いたのか、ニノが不安そうな顔になった。
変ではない。
むしろ、とても可愛い。
「それ、お姉ちゃん?」
雅紀が指差したのはニノの髪の毛。
全体的にフワフワして、前髪は何やら編み込まれている。
「うん···朝起きたら捕まってさ。何か色々やってた。鏡見てないからどうなってんのか分かんないんだけど」
「わわっ!触っちゃダメ!」
無造作に触ろうとするから慌てて止める。
「翔くんに会う前にグシャグシャになっちゃうよ?」
翔くんの名前を出したら、ニノはさっと手を引っ込めた。
「変じゃない?」
よっぽど不安なのかな?
「大丈夫。可愛いよ」
ね?と雅紀に振ると
「うん、可愛い」
ニノを安心させるようににっこり頷いた。
「ならいいんだけど···」
いつもなら雅紀に噛みつくニノも、今日は素直に受け入れた。
そんなに心配しなくていいのに。
本当に可愛いから大丈夫だよ。
翔くんの反応が楽しみだね。