第5章 誕生祝い to Nino
「お待たせ」
カズと智くんがやって来た。
席に座るのを待って早速切り出す。
「カズ、次の日曜日予定ある?」
潤と雅紀が何だかニヤニヤしてる。
「何もないよ?なんで?」
「カズ誕生日でしょ?」
「あ···そうだ、俺誕生日だ」
カズは忘れてたのかちょっと驚いている。
自分の誕生日ってそんなもんかも。
「お祝いにディズニーランド行かない?···みんなで!」
「はぁ!?」
「なんで!?」
何故だか驚いたのはカズじゃなくて、潤と雅紀で。
2人の大声に逆に驚いてしまう。
「何?さっきディズニー行こうって言ったの潤じゃん。雅紀もいいねって言ったじゃん」
小声で2人に文句を言うと
「翔とニノの2人で行けって言ったの!」
怒られた。
えー?みんなで行った方が楽しいじゃん。
お祝いだし人数いた方がいいに決まってる。
潤はまだ何か言おうとしてたが
「みんなで?ディズニーランド?」
ちょっと弾んだカズの声に口を閉じた。
それはそれは嬉しそうな顔をしている。
「本当に?」
キラキラの瞳で見つめられた潤と雅紀はそれ以上何も言えなくなったらしい。
「···あ、ああ」
「···う、うん···行こっか、みんなで」
ちょっと笑顔がひきつってる。
「智も行ける?」
そう言えば智くんには何も伝えないままカズに声を掛けてしまった。
「ごめん智くん、突然決めちゃって。予定大丈夫かな?」
智くんはそれまでキョトンとした顔で話を聞いてたけれど、ふにゃりと笑った。
「行けるよ」
「良かったぁ」
ものすごく素直に喜ぶカズの姿に、こちらまで嬉しくなる。
雅紀に相談して正解だった!
潤も良いアドバイスくれたし、感謝しなきゃな。
「楽しみだね」
「うん!楽しみ!」
智くんときゃっきゃとはしゃぐ可愛い笑顔に俺の頬も緩む。
本当に楽しみだ!