第5章 誕生祝い to Nino
ーSsideー
昼休み、潤と雅紀と学食の席を確保してカズたちが来るのを待つ。
学校にいる間でカズと別行動を取るのはこの時間くらいだ。
本当はちょっとでも離れるのが心配だから、購買まで付いていきたいんだけどさ。
カズが智くんと一緒なら大丈夫って言うから我慢してる。
聞いたら、智くんは意外にも強いらしい。
知り合いから何か護身術みたいなものを習っているそうだ。
小柄だし、いつもニコニコしてて、その可愛い容姿からは全く想像つかないんだけど。
まぁ、さすがに昼休みで人がたくさんいる所で何か起こることはないだろうし。
智くんから絶対離れないって約束で、別行動してるんだ。
「ねぇ、雅紀」
いつも何となくソワソワしてしまうこの時間だけど、今日は今のうちに聞きたいことがあった。
「ちょっと聞きたいことがあるんだけど」
「何?」
「カズってさ、何が好きかな?」
「え?···あ、そっか!もうすぐ誕生日か」
そう、もうすぐカズの誕生日。
何かプレゼントをあげたいんだけれど、せっかくならカズの喜ぶものがいい。
ずっと考えてたんだけど、これって言うのが思い付かなくて。
カズと幼なじみの雅紀なら何か知ってるだろうと思ったんだ。
「えっとね~、ニノはゲームが好きだよ」
「ゲームかぁ···」
正直ゲームは全然詳しくない。
ゲームのプレゼントなんてどうしていいか分からない。
「他にない?」
「うーんとね···」
雅紀は真剣に考えてくれる。
「そうだ!意外と可愛いもの好きだよ。ディズニーとか」
へぇ···今まで聞いたことなかったな。
でもカズにディズニーって似合う!
「いつなの?ニノの誕生日」
黙って聞いてた潤が口を挟んだ。
「6月17日だよ」
「日曜じゃん」
潤がニヤリと笑う。
「ディズニーランドでお祝いしてやったら?」
「それいいかも!ニノきっと喜ぶよ~」
雅紀も賛成してる。
ディズニーランドでお祝いか···
確かにいいかも!