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祝福と呪いと兄と

第2章 変化


「仰る通り怪しいですね。動きに女性らしさがないです。」
双眼鏡を覗きながら、馬に乗った女性らしきものを観察する。
女性の馬を引いているのは、尾形さんが迷惑をかけた床屋の店主だ。

「!箱を投げました。」

ドンッ!!

間髪入れず銃声が聞こえる。
馬に乗った女性の腹を弾が貫通した。
しかし、女性服から現れたのは髭の生えた老人だった。

「やっぱりジジイの変装だと思ったわ。」
ジャキッと音を鳴らし笑顔で弾を装填するのは、尾形百之助。
が雪山で出会ったあの男だ。
あれから時代、場所、名前、成り行き、色々と教えてもらったが、
突然のタイムトリップには理解が出来ず、
とりあえず何故トリップしたなどは考えるのをやめ、
山小屋での約束通り尾形についていく事にした。

しかし、犯罪に加担する事は出来ないとが宣言したにも関わらず、
尾形は茨戸に着くなり、床屋で署長の顎にハサミを刺してケツにしてしまったのだ。

(彼と私の犯罪のラインが違うのかもしれない………)
なんとなくそんな気がしていた上、
この世界は中々治安が悪そうなので、犯罪に関わらないという目標は諦める事にした。
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