第1章 始まり
(ですよねーーー!!!)
そんな予想はしていたがやはり戸惑う。
こんな寒い所で知らない男とやるというのか。
「私、そんな上手くないですよ……」
効かないと分かってはいたが、言わないよりましと
性交に向かないよう発言してみる。
すると
「ははっ、お前の貧相な体には興味ねぇよ。
凶器を隠し持ってねぇか確認だ。
期待を裏切ったみたいで悪いな。」
「なっ…」
(なにーーー!!!)
だって!こんな治安悪ければそう思うじゃん!
恥ずかしい。
すごく恥ずかしい。
きっと顔は真っ赤であろう。
「だったらそう言ってください…。」
反論するも恥ずかしさで声は大きくならなかった。
(でも外でも確認出来たのにしなかったのは優しさか?
それとも凍えて動けず斥候として使えないより、
斥候として使ってから確認した方が効率的だからか?)
もやもやと色々考えながらも服を脱いでいき、全裸になる。
寒い。恥ずかしい。
全裸も恥ずかしいが、セックスさせられるもんだと踏んでた自分が恥ずかしい。
いや、でも女の全裸を見て男は落ち着いていられるものなのか?
「これでどうですか。何も武器は持っていません。」
銃を振り、回れと指示される。
くるりと回ってみせる。
何という羞恥。
「何にも持ってないようだな。
もういい。」
そう言うとやっと男は銃を下ろした。
「はぁ、良かった……」
と思わずいったが、いや、何も良くない。