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祝福と呪いと兄と

第3章 目的


「………私今恐ろしい事思いました。」



「……なんだ?」
尾形が聞いてくれる。


「首締められる方がまだましかなって。」




それからアジトの周りを散策し、街にでた。そこそこな大きさの街で、は女子らしく少し興味が湧いていた。

「あ、尾形さん!
あそこにいるの魚売りさんじゃないですか?」

棒振り姿のお兄さんを遠目に発見する。


「ちょっと寄って行っていいですか?
って、あれ?」

後ろを振り向くと、居たはずな尾形が居なくなっていた。


(…………





まあいっか!!!)

どうせ小銃を持っているし、大丈夫だろう、と
は気にせず魚売りに向かって歩いた。


「こんにちは!
今日のお魚何ですか?」
が魚売りに問いかける。


「おや、お姉さん見ない顔だね。
今日はカレイと鰊があるよ。」

「じゃあ鰊を3匹下さい!
私旅をしてまして、この間来たばかりなんです!」

「へぇ、女一人じゃ旅も大変だろう。」
魚売りが魚を選びながら言う。

(ここは人数とかぼかしておいた方がいいね。)
こちらが何人で人皮の情報を探っているか、
跡を残さない方が良いとは判断した。


「そうなんですよー。
用心棒雇ったりする時もありますけど、
やっぱり不安ではあるんですよねー。
この辺ってあんまり知らないんですけど、
物騒な話とかあります?」
それとなく探りを入れる。


「そうだなぁ、夕張の方で墓荒らしが出たって話を聞いたが…
まぁお姉さんには直接関係ないかな?」
魚売りが答える。

「墓荒らしですか…。
遺品とか盗まれたんですかね?」

「そこまでは分かんないなぁ。
あの辺は炭鉱夫が多くて、身寄りのないやつも多いいからあんまりみんな関わんないそうだぜ?」


(ふーん…そういうもんなんだ…
身寄りがない人が多いってなると、元囚人とかも炭鉱夫になりやすいのかな?
墓荒らしは人皮目当てなのかも……)

「なんかちょっと怖いですねぇ…
変な所には近づきたくないので、教えてもらって良かったです!
ありがとうございます!」
はそう言ってお金を渡す。

「おう!お姉さんも気を付けな!」
魚売りは鰊を渡してそう返してくれた。


(夕張か……)
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