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祝福と呪いと兄と

第2章 変化



離れようとしているのかは顔を引こうとしてくる。


(逃すかよ)


空いていた手で尾形はの頭を抑えた。

「!っっふっ…!」

艶の混じった声がする。
角度を変えて何度かキスをする。


(…甘めぇ…)

何度か女はだいたが、その時とは違う、
満ちる様な、溶ける様な感覚を尾形は覚えた。

(………これ以上やると抑えれねぇな……)

最後に甘さを名残り惜しむかの様にゆっくり舌で唇をなぞり、
の口を解放した。
は混乱の為所か目には薄く涙が張っており、
頬は薄く赤に染まっていた。
唇に残った唾液が月に照らされ、性的に光っている。



「お前も本当は生きる理由が欲しいんだろ。
俺の為に生きろ。今日俺を庇った時みたいに。
それ以外は許さない。」

これで俺に情が移るもよし、
最悪このまま傷ついて死んでも、牛山に抱かれるよかよし。

尾形はニヤリと笑い、立ち上がって歩いていく。


「……え!何でキスしたの!」

にそう聞かれ、


「教えない。」
と尾形は答え、去っていった。
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