第2章 変化
今日が一番良い死ぬチャンスだったのではないか?
あの時死ねたなら満足して逝けただろう。
尾形がどうなったかは分からないが。
(まぁ、尾形さんが生きてたから良かった。)
良かったが、やはり彼と共にいると結果的に生きてしまう。
最初は壁として扱われていたし、一応殺してくれると思ったので一緒にいたが、
このままだと死ねない気がする。
webデザインの知識が役に立たないこの世界で、祝福された奴らを富で見返す事も出来なさそうだし、
金塊も、土方さん、尾形さんの視線から察するに、富で見返す程の分け前は貰えない気がする。
(適当な木で首を吊って死ぬかな…
クマも居るみたいだし、
彼らに食べてもらえば死体で誰かに迷惑かける事は少ないだろう。
でも……)
「尾形さんには、少し、迷惑かけちゃうかな……」
小声でポツリと呟く。
「また死ぬことか?」