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Platonic【火神大我】

第13章 亀裂




「お前はまだ帰んねぇのか、広瀬。」

威嚇するような俺の視線は他所に、小さく笑みを浮かべる広瀬。

「火神と話したい事があってさ。」

危険だ。

頭の中で警告が鳴り響く。

さっさと、後片付けを終わらせて一花の所に帰る。その事だけを頭に、広瀬の問いに応じる。

「話す事なんて無い。」

「私にはあるの。」

ジリジリと近づいてくる広瀬。
後ずさって逃げるが、とうとう壁に追いやられてしまう。

「今朝の事まだ怒ってるの?」

「当たり前だろ。いくら広瀬といえど、あの発言に関しては許すつもりはない。」

「あっそ。」

そう言って、広瀬を思い切り睨みつける。

だが、どこ吹く風と聞き流し俺との距離を詰める。


そして、有ろうことか俺に抱きついてきた。


俺は急いで広瀬の身体を振り払う。

「何すんだ!」

「何で逃げるの?」

「ふざけるな。」

振り飛ばされたにも関わらず、またジリジリと近づいてくる。

「こっち来んな。」

「火神、まだ童貞なんでしょ?」

「そんな話、いまは関係ない。」

「関係ある。」

嫌な予感がする。

今朝の一花の言葉はこのことだったのか…?

「私が…、」


ヤメロ、キキタクナイ。


ー私が火神のハジメテ貰ってあげる。



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