第8章 お風呂
お風呂の用意を持った一花を車椅子に乗せ、脱衣所へ向かう。
「なー、一花。」
『なに、大我くん?』
「その"大我くん"ってゆーの、どうにかなんねーか?」
『どうにかって?』
「その"くん"無しで呼んで欲しい…。」
俺がそうお願いすると、少し恥ずかしそうに
『…大我。これでいい?』
…想像以上にクるな。
でも一々照れる訳にもいかねー。
「おう。それでよろしく。」
『分かった。大我!』
「何だ?」
『んーん。呼びたかっただけ!』
ご機嫌な一花。…可愛いな。
「そうかよ、一花。」
『んふ、なーに。』
「別に、呼んだだけだ。」
『そっか。』
しばらく二人で笑いあった。