第7章 二人暮らし
「なぁ、まだうどんとか雑炊の方がいいのか?」
『うん。そっちの方にしてくれたらありがたいかな。』
「おっけ。」
三浦の分は雑炊にすることにする。
俺は、適当に野菜炒めでも食うか…。
トントントンーー
俺は早速準備に取り掛かる。
好きな奴を思って作る料理ってのは、初めてだからちょっと緊張した。
俺が着々と料理を進めていると、三浦が俺の隣にやってきた。
「…?どうしたんだ?喉でも乾いたか?」
『ううん。一人じゃちょっと寂しくて。火神の側に居たいな、なんて…。我儘かな…。』
俺は調理していた手を止め、三浦をそっと抱きしめた。
「我儘なんかじゃねー。そういうのはもっと俺に言って欲しい。俺はお前の望む事全部叶えてやりてぇんだ。」
三浦も俺の背中に腕を回した。
『ありがとう、火神君。何か火神君があんまり優しいから情緒不安定だよ、私…。』
「情緒不安定でも何でもいい。全部俺に預けろ。」
『うん、ありがとう…。』
三浦はそこまで言うと、その直後グズグズと鼻のすする音が聞こえてきた。
三浦の苦しみが少しでも楽になるように、泣き止むまで俺は三浦の背中を摩り続けた。
「楽になったか?」
『うん、大丈夫。ごめんね?』
「ごめんって言うなら、ありがとうって言え。そっちの方が嬉しい。」
『…うん、ありがとう。』
「よしっ。じゃあ、作っちまうからそこで見とけよ。…俺も、お前の顔見れるのは嬉しいし。」
『うん…!』
その後は三浦と色々話しながら作業を進めた。
こんな時間も三浦となら新鮮で、楽しかった。