第5章 過去
ガラガラーーー
未だに目を覚まさない三浦。
白く痩せた頬を見ると、もう死んでしまったのではないかと縁起でもない考えが頭をよぎる。
「なぁ、三浦?俺さ、どうしたらいいと思う?お前のためにバスケやめようと思うって言ったら止められたんだ、黒子に。」
返事はないが、三浦なら何か答えをくれる気がした。
随分と細くなった手を撫でながら三浦に問いかける。
「お前は、おれにバスケやめてほしいか…?」
何故だか、少し視界がぼやけた。
無意識に浮かんできた涙を拭おうとすると、触れていた手がピクリと動いた。
「三浦…?」
すると、三浦はゆっくりと目を開け
『火神くん…?』
俺の名前を呼んだ。