第19章 翌朝
「一花…。」
『だけど、大我にはずっとそばにいて欲しいの。…やっぱり我儘かな?』
「我儘なんかじゃねぇよ。俺には足りないくらいだ。」
俺は一花の全てが欲しい。
一花にも俺を求めて欲しい。
「もっと俺を求めろ。一花の全てを俺にくれ…。」
そのままの勢いで一花と唇を重ねる。
一花の後頭部に手を回し自分の唇を押し付ける。
『んっ…、はぁっ。』
一花から漏れる吐息も呑み込む。
互いの全てを逃さぬようなキスに二人とも溺れていった。
一花に纏わりつく不安は全て取り除いてやりたい。
その想いをぶつけるようにキスを続ける。
しばらくそのまま唇を重ねていると、一花が苦しそうな息を漏らしたのでキスを止めてお互いの額をくっつける。
『なんだか熱い…。』
「逆上せちまったか。」
少し頬の赤い一花を抱き上げ、浴室から出る。
一花に服を着せ、リビングまで運ぶ。
「水、飲めるか?」
『うん、ありがとう。』
水を受け取った一花の喉がゴクゴクという水音に合わせて上下する。