第19章 翌朝
『二人きりでまたどこか行こうね。』
そう言って柔らかく笑う一花。
…あぁ、やっぱり好きだ。
自分でも笑っちまうくらい一花に惚れてる。
今でも、赤司に電話している一花のうなじに噛みつきたい思いに駆られてる。
ダメだとは思っていても、その白い肌に吸い寄せられるかのように俺は一花の後ろに移動していた。
無防備に晒されている首に優しく噛み付き、後ろから抱き締める。
『そうそう、大我も行きたっ…んっ。』
「一花、どうかしたか?」
『ううん、何でもない。…ちょっと大我!何やってるの!』
赤司に聞こえないように小声で俺に注意する一花。
「何って、首にキスしてる。」
『ちょっと、何言ってるの!離して!』
「いやだ。」
『…お願いだから。』
少しウルウルした目で俺にお願いする一花。
普段の俺ならすぐにやめたけど、今は無性に一花に意地悪したかった。
「早くしねぇと赤司に失礼だろ…。」
『そ、そうだけど…。』
「ほら、早く。」
『う、うん。』
携帯を当てていない方の耳にそっと囁くと、観念したのか再び赤司と話し始める。
俺はその間も耳を甘噛みしたり、首筋に舌を這わせたりと普段ならしないようなイタズラをしていた。
『そう、んっ、またみんなの予定も教えてねっ。』
「…あぁ、分かった。それから…、」
『ぁんっ、…何?』
「火神に人前ではやめておけと伝えておいてくれ。」
『う、うん、分かった。』
「それじゃあ。」
『うん、またね。』
…やべぇ。完全にバレてる。
『もう!大我ってば、赤司君にバレちゃったじゃん!』
「悪りぃ…。そんなに怒んなよ。」
『怒ってない!恥ずかしかったの!…大我のバカ。』
「だから悪いって。…お前が欲しかったんだよ。」
『うっ…。そ、そんな事言っても騙されないから。』
「嘘じゃねぇよ。なんなら今分からせてやる。」
『えっ…?』
驚いている一花の首に再び吸い付く。