第18章 繋がる
『大我はさ、私のこと抱きたいと思ったことある…?』
大我の胸に押し付けられているせいか、自分の声が実際より小さく聞こえる。
とうとう聞いてしまった。
青峰くんに相談して、何度も何度も迷って、話す覚悟はできてたはずなのに、実際に大我と話し合うとなると心臓がドクドクと鳴り始め自分の口が操られているかのように開かなかった。
でも、その口をなんとかこじ開け大我に話す。
大我はしばらく黙りこくった後、ゆっくり口を開いた。
「もちろんある。今だって抱きたいと思ってる。」
大我は自分のペニスをズボン越しに私の手に触れさせる。
最初は何も反応していなかったモノがどんどん硬度を持ち始め、ズボンを押し上げるように膨らんでいた。
『あっ…。』
「お前のこと考えただけで、お前に触れられるだけだこんなんになるんだよ、俺のは。」
抱いて欲しいと思った。
自分はきっと大我が満足するようなセックスはできないだろう。でも、それ以上にこの人と繋がり合いたい。
私に触れられてすぐに反応を示すそれをひどく愛しく思えた。
「一花、…怖いか?」
その問いに首を大きく横に振る。
『ううん、嬉しい。…ねぇ、大我。』
「どうした?」
私は大我の手をそのまま自分の胸元に引き寄せた。
大我は少し戸惑ったように私の様子を伺う。
「お、おい。」
『抱いて…?』
それは私の強い意志だった。
ただの焦りじゃなくて、本当の気持ち。
戸惑っている大我にこんなこと言ったら余計に困らせちゃう…?
でも止められなかった。
この人の全てが欲しい。
言葉に言い表せない気持ちは涙となって、頬を伝った。
でも、その涙が落ちる前に大我は優しく唇で包み込んでくれた。
そして、そのまま無言で抱きしめてくれた。