第18章 繋がる
「一花…。」
私の耳に囁かれる声。
温かくて優しい声。私の大好きな声。
その声で名前を呼ばれると自分の名前がひどく美しいもののように思える。
私の胸に置かれていた手は髪を撫で、毛の一本一本を愛でるようにキスを落とされる。
その唇はやがておでこから鼻筋を通り、唇にキスを落とした。
ふと目を開けると、優しい瞳の大我がいた。
そっと笑う貴方は何よりも温かくてまた涙が出そうになった。
「一花、どうした…?」
その涙に気づいた大我は指で頬をなぞりながら私に問いかける。
『…分からない、勝手に出てくるの。でも、悲しいわけじゃなくて。…嬉しいの、大我に愛されることが。』
「…そうか。」
再び唇にキスされる。
それは触れ合うほどに熱く、唇からドロドロに溶けてしまいそうだった。
「ベット、行くぞ…。」
『うん…。』
大我の太い首に腕を回すと抱き上げられ、そのまま寝室へと向かう。
優しくベットに降ろされあっという間に組み敷かれる。
『大我…。』
名前を呼ぶとすぐに唇を塞がれる。
啄むように繰り返していたキスはやがて深くなっていく。
唇を舌で優しくノックされ少し開けると、すぐに舌が入ってきて口内で暴れた。
それは先程までの優しいキスとは違って、少し荒々しいものだった。
舌を絡め取られクチュクチュと音を立てながらキスされる。上顎を舌で優しく擦られると思わず声が漏れた。
『んぁ…。』
初めて聞いた自分の声に驚き、とてつもない恥ずかしさを覚えた。
でも、そんなのはお構いなしにキスは激しさを増す。
余裕をなくした大我は、そのまま口内を愛撫する。
『んっ、…はぁ、ぁ…。』
息苦しくなったのでトントンと大我の胸板を叩くと、唇が離され銀色の糸が紡がれる。
「ワリィ、…苦しくなかったか?」
さっきまで激しく求めていた大我とは違い、いつもの大我に戻る。
でもキスの間、ずっと握りしめていてくれた手はいつも通り優しかった。
『大丈夫、…だから我慢しないで?』
「我慢なんかしてねぇよ。」
『嘘つき。大我は優しいから我慢ばっかりする。』
「…でも。」
『お願い、もっとシて?』
貴方と共に生きているともっと感じさせて。