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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第10章 〜九十九を祀る社の巫女〜



早々に本性を晒した彼に、コナンが驚いて声を上げた。しかし、すぐにハッとなっては、この状況が好機ではないかと思い至る。護衛達の言葉は、朧げながら自分達の現状を把握している。予定とは大分違ってくるが、教えられる内容を説明すれば協力してもらえるはずだ。このまま悪い人間として勘違いされるというのも辛い。ところが、それは甘い考えだったと思い知る事になる


「はぁ?何なのそれ、今のお前らがそんな事を知れる立場だと思ってんの?」

「ですが、われわれが『ただびと』ではないのはみとめます。そしておまえたちをせんさくをしたり、ふかくかんしょうしないことも」

「……え?」

「……なんだと?」

「だって、お前らの重要な秘密を本格的に知ったら、否が応でも深い繋がり出来ちゃうじゃん。どうせ碌な事情じゃないんだろ?何だかんだ敵意や悪気は無いとしても、日常的に嘘つく奴に危険が無いわけない。知ったら最期何らかの終止符が打たれないとずっと巻き添い食らうよね」

「ぼくたちのだいじなあるじさまや、せんだいさまになにかあったらどうしてくれるんですか?せきにんとるきないんでしょう?だからいやいや、あるじさまにいいこぶって、こびうりしにきた。きけんにまきこむこんたんがまるわかりです。ちがいますか?」

「そ、それは……」

「……っ!」


まるで全てを知り尽くしているかのように、コナン達の企みを見破っていく清光達。彼らが誤魔化す意味はなく、詳細を知らないというのは事実なのかもしれない。けれど知りたくないと前置きしつつ、一切の容赦もなく言葉の刃を向けてきた。そして無表情で冷ややかに喋る様子は、正直最低だと怒鳴られるより精神的に参ってしまう。二人はそれほど多大なダメージを心に受けた。他人の言葉で言われて、初めて自分達の思考が冷酷なものだと悟ったのだ。それでもほんの少しは言い返したい事もある。何故なら麻衣は、その一族と護衛達は国家に与する特殊な存在。それは神職の仕事をする一面にも言える事だ。彼らに接触を図った理由は、その根本に眠る信念にあった


「……可笑しいですね。住職や巫女といった方は、助けを求める者に慈悲や救いとやらを齎すのでは?」

「誠に無心で求める者の声には応えるよ。でも大事な主を危険に巻き込もうとして、妙な策略を使う相手は信用ないね。文句は誠意ある態度を取ってから言いな」
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