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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第10章 〜九十九を祀る社の巫女〜



「むぅ〜、あるじさまひどいです!ぼくたちというものがいながら、よそのわらべのあいてなんて!」

「こーら、我儘言わないでよ剣。主は仕事中なんだからさ、客人には愛想良く接しないと」


不機嫌そうに可愛く拗ねて、見た目の年相応な言動をする今剣。それを清光がやんわり注意するのに続き、やきもちを妬く美少年の頭を苦笑いで「また後で」と撫でた麻衣。コナンは含みのある発言にひくりと顔を引きらせた


「(……こ、こいつら今、『仕事』と『客人』って本人相手に態と強調しやがった。明からさまに腹黒すぎんぜマジで…。別に快く思われてねぇ事くらい分かってんのに、何なんだホント?!)」


護衛達の挑発に胸中で文句をぶちまけた。そんな彼を援護するべく、今度は沖矢が努めて和やかな表情で前に出る。すると同時に、清光と今剣の紅色の瞳が二人を一斉に捉えた。それは恐ろしく無表情で不気味な視線。コナンと沖矢が息を呑んで動揺し、自然と身体がビクリと震え上がった


「……ところで、アンタら何の用で神社に来たの?」

「用…?」

「『祈祷』、『御祓』、『お守りを買う』とかじんじゃはいろいろあります。じんじゃであそぶわらべたちもいますが、ここはふんいきてきにはいりにくいから、ようなくここにはだれもきません」

「……たしかに、用もなく来るには荘厳な土地ですね。ですが私達は、コナンくんが知り合いを見かけたらしく立ち寄っただけです。貴方方の主人である『お涼』さんに、ね」

「「………」」


沖矢の意味深である種間違いのない発言に、護衛達二振りの目つきが一際鋭くなった。本当に真意を読み取れそうなまっすぐな瞳に、痛くて長い沈黙が暫し流れる。「ふーん…」いかにも納得していない様子の清光だ。彼は油断を見せぬ態度で麻衣に視線だけを向けた


「悪いけど、うちの主は仕事あるんだよね…。でも俺達その眼鏡っ子に色々話があってさ、男四人で内緒のお話しない?」

「「…っ?!」」


清光が主人に見えない角度で、最後の言葉にニヤリと挑発的な笑みを浮かべた。その言動にコナン達は度肝を抜かれ、同時に妖しさ際立つ人並外れた美貌にゾクリと本能が震え上がった。そして脳内で警鐘が鳴り響く。ただで此方の思惑に乗る気が無いのか、まるで挑発のように雰囲気一つで気圧され僅かな恐怖を感じた。
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