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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第9章 〜偶然か必然か、縁は導く〜



「……麻衣様?どうされたのです?」


ふと聞こえた主君たる麻衣の声に、平野が反応して大包平の背に乗る彼女を見上げた。すると麻衣は何やら気まずげな素振りをし、すぐに高木の方へ視線を移す。瞬間、高木が思わず体を震わせた。無意識の畏怖だ。彼自身が本能の中で、麻衣の何かを見透かす焦げ茶の瞳に動揺を隠せないでいる


「あ、あの…?」

「…この事件の加害者は同席者達の中にいます。恐らく女性かと」

「え?」

「とは言え、犯人の動機だったり犯行手段は一切分かっていません。ですが証拠を集め、犯人を捕らえる事は貴方方のお役目…。ならば、巫女たる私のお告げを是非とも証明してくださいませ」

「は、はい…?ただのお告げたったんですか…?確証の無い言葉を信じる事は、さすがに…」


高木がやんわりとした口調で、遠慮と言うより混乱を見せる。勘だという麻衣の発言の中には、不思議と確信を匂わす説得力があった。何も証明出来ないと明言されているのに、何故か強気で迷いがない言い回しに、不思議と信用を抱く高木。そんな彼の様子を見ては、麻衣が淡い笑み浮かべて意味深な一言を返す


「ええ、別に私は信用を求めるわけではありません。嘘か誠か、それは真相に気づけばば分かること…。しかしながら、所詮私達は他人に過ぎません。例え誰かの犯した罪や、死んだ際の苦痛すら察する事はできても、そこに篭った深い部分までは解明しようもありませんが…ね」








結局、四人は訝しむ高木を残してそのままレストランを後に去った。そして事件現場から帰ってきた麻衣達に、榊家本丸の刀剣男士達が大混乱を起こす。主人が大包平に背負われ寝ている事もそうだが、何より四人に着いた黒い霞の存在に、大太刀と分類される刀種の付喪神四振りが驚愕に目を見開いた


「君たち、その穢れはいったい?!」

「ああ。殺人現場に運悪く遭遇してしまってな…」


大太刀の一振りである石切丸が全員の思いを代弁してくれた。それに答えたのは肩を竦める鶯丸。初期刀の加州清光が前に進み出た


「…とりあえず、主を離れに連れて行って寝かせよう。大太刀四振りはそこで厄落としと禊ぎをお願い。残りの全振りは詳しい報告を大広間でするよ」

「分かった!」


清光の差配に大包平はしっかりと頷いた。
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