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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第9章 〜偶然か必然か、縁は導く〜



その為、世良は警戒を露わに青年を探るように睨む。自分も見ず知らずの人間にとって、違和感の対象とは思いもしない。そして、彼からの怪しまれている視線に、世良は全く気づけなかった───








こうして、暫くした後。目暮の指示で聴取は二手に分かれて行う事になった。片や予定の通りに入り口側から、もう片方は鶯丸達に改めた聴取と確認を急ぐ。前者は目暮と千葉が向かって、後者は佐藤と高木が担当のようだ。ぐわんぐわんと押し寄せる不快な波で、麻衣は尚も崩折れたまま。彼女の分も、護衛の三振りが説明していく形になる


「それでは名前とご職業、連絡先と、事件当時の話をお願いします」

「ああ…。俺は古備前春告という名だ」

「俺が古備前包平。こう見えて春告とは従兄弟同士だ」

「そして、僕は粟田平乃といいます。体調を崩しておられる女性が榊麻衣様…。彼女は護衛を必要とするお方で、由緒ある神社を管理する血筋の巫女なのです。そして全員公務員を兼業しているのですが、詳しくはこちらでご確認を」


こうして高木の質問に鶯丸、大包平、平野の順に答えていった。すると、見た目少年の平野が大人顔負けの言葉遣いをするので、全員が困惑した表情を見せる。彼は口を挟む間も無く早口で簡単な説明を終え、最後に三人一緒で手帳を四つ差し出した。その中身は特殊な身分証で、一つは麻衣の分である。それらを渡され、高木と佐藤がハッと我に返った


「えっと…これは何です?」

「それは俺達四人が携帯している身分を証明する許可証だ。端に書かれた、確認元の電話番号に連絡してみてほしい。職務について多くを語ると守秘義務に反してしまうからな」

「……!!わ、分かりました!」


佐藤の問いに鶯丸が、そう言い含んで返した。それを聞いた刑事二人は、直ぐに両目を見開き硬直する。守秘義務。それは警察ならば、常に抱える使命なのだ。『これ以上踏み込んでくるな』という牽制。その重要度や、理解せざるを得ない厄介さは十分知っている。思わずギョッと目を剥く佐藤だったが早速行動に移った。この場を高木に任せ、彼女は許可証を持ってパトカーに戻っていく。その背中を見送りつつも、気を取り直して高木が質問を続けた
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