• テキストサイズ

【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第9章 〜偶然か必然か、縁は導く〜





昼間を過ぎた時間だからか、レストランの中は客が少ない。店員の案内で麻衣達は、入口側の奥の客席に着かせてもらった。しかし、当然ながら此処でも店員や一部の客達の興味を集める。外側が窓じゃなく、壁であるのが唯一の落ち着く場所であった


「主君は壁の方にお座り下さい。隣は鶯丸様か大包平様を」

「よし、隣は貰うぞ鶯丸。移動中はずっっと後ろだったからな!」

「そうだな。お前は後ろの方で、隣に選ばれなかったと悔やんでいた」

「おい、鶯丸!」

「しーっ、だぞ大包平」


何故か、平野の言葉を皮切りにして、二振りのやり取りが騒がしくなる。否、正確には大包平のみが賑やかだ。彼は鶯丸が翻弄する度に、必死に食らいついては往なされていた。遊ばれていたとも、観察されていたとも言う。そして、彼らの言い合いを平野と麻衣は微笑ましげに眺めていた


「仲が良いのはいいことです」

「はい。お二人とも楽しそうです」


そう言って笑い合う二人だったが、ふと、平野の表情が真剣に引き締まる。不安げに瞳を揺らしながら、麻衣を見つめて硬い声で言った


「……主君、此処は他の場所より瘴気が色濃くなっています。あまり長居せず早めに帰りましょう。お身体に障ります故…」

「分かってます」


麻衣が平野にしっかりと頷いた。平野はそれに満足らしく、強張っていた頬を緩める。そんな彼女達の暖かいやり取りを、遠巻きで眺めるものがいた───













蘭と園子、世良の三人はショッピングを楽しんだ。おもに見回ったのは洋服店で、一袋ずつ服を買っている。昼間のピークを過ぎた頃に、レストランで昼食の休憩を始めた。席は出入り口の真逆を案内され、隅で仲良くトークを繰り広げる。すると、何となく出入り口を見遣った園子が、突如「はわわっ!」と黄色い悲鳴を上げた


「ちょっと見て、蘭と世良ちゃん…っ!!あそこに、すごいイケメンがいるんだけど!!」

「もー!園子は京極さんっていう、優しい彼氏がいるで───」

「やれやれ、園子君はイケメンに弱い ───」


ミーハーに美形ではしゃぐ園子に、二人が呆れた物言いをしかけた。しかし、園子の目線を辿って見た瞬間、不自然に言葉を途切れさせると目を見開いて硬直した。ハッと息を呑み、顔を赤らめ、言葉を失くすほど『美』に惹かれる
/ 325ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp