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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第7章 〜闇夜の邂逅に白き魔術師、驚き好きの鶴も添えて〜 後編



催眠『スプレー』と判断したのは、刑事達の山の近くに使用済みのスプレー缶が落ちているからだ。安室が視線を部屋中に巡らせ、キッドの姿を探す。見えない。ならば下か、と地下への階段に安室が顔を覗かせた、その時


「キッド…!!」


暗闇でも目立つ純白で、そこにいる正体を察せた安室。彼は思わずその名を叫んだ。すると、ニヤリと不敵に笑ったキッドが、ワイヤー銃を安室に向けた。正しくは、安室の背後にあった仕掛け岩戸の上部分だった。「へへへっ、あばよ!」そう言った刹那、キッドは躊躇うことなく引き金を引く


バシュッ……!!


そんな発射音の直後、驚いた安室の頬辺りを際どい軌道でワイヤーが横切った。空気を裂くような鋭い一閃。そして一泊遅れでドスッという不気味な音が小さく鳴り、ワイヤーの先端が見事目標に突き刺さった。その途端、巻き取り機能が作動したのか、キッドがひらりと宙を舞う

着地するまでのキッドも身軽だった。安室を飛び越え、鶴丸を驚かせ、残り二人が身構える中、キッドは麻衣にボウ・アンド・スクレープ───西洋の紳士がするお辞儀をした


「……清らかで美しい巫女の姫君。出来れば二人での逢瀬を期待しましたが、別れの時間が参りました」

「逃げ切る事ができるとお思いですか?」

「ええ、勿論。私の名前は怪盗キッド……月下の奇術師です」


こうして、キッドが歯の浮く様な台詞を放つが、麻衣は決して動じなかった。むしろ敵意や警戒を露わにするなど、勇ましい姿勢で彼と向き合う。麻衣はキッドのファンではないのだ


「貴女を捕まえようと狙うのは、警察だけではありません。キッドキラーがいなくたって、警察と探偵と我が家の護衛なら十分張り合う事が出来ます」

「……では、そこまで言うのであれば、この私を捕まえてみて下さい?」


言うが早いか、キッドは純白の外套を翻して駆け出した。人並み外れた運動能力で、麻衣の横を通り過ぎるとあっという間に外に出てから、境内の方へと走り出す。すると───


「鶴さん、キッドを捕まえて下さい!」

「嗚呼、任せてくれ、主」


そこで初めて、麻衣が護衛に命令を出した。鶴丸がニヤリと不敵に笑って、ギラリとその瞳の色を変える。寸前まで無邪気に笑っていた彼だが、突如、好戦的な雰囲気を放ち始めた。安室がハッと息を呑む
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