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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第6章 〜闇夜の邂逅に白き魔術師、驚き好きの鶴も添えて〜 前編





神社に足を踏み入れた瞬間、安室は不思議な感覚を覚えた。麻衣達と共に神門を抜けると、体の怠さや疲労が飛んだのだ。何故かは知らない。それでも風が、力強く吹くようにブワッとなって。心なしか気分も軽く、重荷が消えて爽やかになった

現在、安室達は麻衣を先頭に、家宝が仕舞われた場所を目指す。順番は二番目から護衛の二人、安室と小五郎、刑事達の順だ。境内に入って本殿へ進み、キッド逮捕の参拝を済ませて、社の奥を進んでいく


「……ここの空気は澄んでますね。何だか無性に心地良く感じます」


感嘆して素直にそう言う安室に、鶴丸と今剣が自慢げに笑った


「そうだろう、そうだろう!神社というのは、字の如く神が御座す場所だ。人界と神域との境界線を、鳥居や神門で表している」

「とりいをくぐるこういはつまり、りょういきをまたぐということです。しんせいでけがれのないばしょだから、きれいなのはとうぜんです!」


えっへん。腰に手を当てながら、二振りが胸を張って説明した。ポアロの時より無邪気な明るさだ。この場に敵意を持つ者はいない。主人が無害だとこうも違うのかと、護衛達の敏感さに安室は驚いた。いくら政府に認められても、今剣のような子供(の姿)もいるのだ。なのに、以前も今も隙のない守備で主人を護衛する彼らの様子は、いっそ並ならぬ老獪ささえ感じてしまう程である


「きっと安室さんと九十九神社では、波長が合うんでしょうね。───……さぁ、この部屋が隠し場所の入り口になります」


波長、というのは一体なんだ。そう思って安室は怪訝な顔になったが、後の言葉にハッと切り替える。巨大な部屋が目の前にあったのだ。思わず全員が唖然となった。然し、それは良い意味ではなく、問題だらけという意味である。

そうと言うのも、作りが古風過ぎで扉は石製の高さが天井まで。取っ手代わりにダイヤルが四つも、縦に並んで存在している。目立った仕掛けは数カ所あるが、信頼に足るかはなんとも言えない。最新の技術が多様化される今、直ぐに突破されるセキュリティだった


「あー…こ、これまた、なんと言うか。不思議な構造をしとりますな…」


何とも言えず、小五郎は辛うじてそう言うことが精一杯で。彼女自身も同感なのか、苦笑いを浮かべていた


「ですよね…。仮にも、家宝を仕舞う場所で【これはない』と自覚済みです」
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