第29章 〜奇々怪々〜
「そうだよ。確か16年ほど前に裁判沙汰になって、医者は業務上過失致死罪になった。患者はがんの手術で亡くなってね、病院側は損害賠償を払って医者本人を医療界から切り捨てたんだ。結局、その後は幽霊騒ぎで病院も消えたけど」
「じゃあそのお医者さん、今は?」
「さぁね。判決に何年もかかってたけど、業務上過失致死罪は5年以下の懲役だ。さすがに今は何処かでひっそり暮らしているかもね」
「……それで今は病院がお化け屋敷になったのか。絶対誰かの悪戯だって思うけど」
「うーん、どうだろうね。捜査の状況なんて僕らは知らないし、その映像事態も見たことないなぁ」
「えっ、そうなの?ネットのサイトに挙がってるよ?」
コナンが事件がどういったものかを聞くと、てきぱき両手を動かしながらも安室が答えてくれた。裁判はきちんと医者を有罪として罰っしたらしく、今は刑務所を出ていることだろう。それを聞いたコナンは自分が心霊を疑っている事を明かし、動画を知らない光忠達にスマホ出してサイトを検索すると動画画面を見せた
「ほら、これが問題の動画だよ」
「お化け屋敷の内部の映像か、お客さんが撮影してるのか?」
「ううん。スタッフさんが客視点で撮影したんだって。知らないBGMが勝手に流れたり、見た人と見てない人がいるゾンビの誰かとか、スタッフオンリーの空間で怪奇現象が起こったり」
「はい、まずはカフェオレか出来ました。ーーー後は打ち合わせにない悲鳴や、唸り声も聞こえるなんて噂もあります」
コナンが三人の前にスマホを置くと、一番奥の光忠が身を乗り出して画面を覗き込む。すると動画タイトルで太鼓鐘が客の一人が撮ったと推測するが、それは違ってスタッフが撮ったもので怪奇現象の例を挙げていく。次いで安室も太鼓鐘の前にカフェオレを置きつつ、信憑性が微妙な噂もあると告げた。それらの証言を踏まえ、コナンは動画を再生させる
動画はまずは錆びた鉄の門を通過し、3階建ての外壁が汚い病院をしっかり全体に写した後、玄関を入って薄暗い室内に侵入した。入ると広めな患者の待機スペースを横切って、エレベーターで3階に向かうとそこからスタートだ。一応見ている限り普通のお化け屋敷と変わらないが、動画を撮っているスタッフの動揺する声やダッシュで逃げる映像が違和感を主張する
《はっ?!ヤバいってこんな音楽話に無かった!!》