第28章 〜ホラースポット・ポアロ3〜
[「仮名称:他から把庫(たからばこ)」事件捜査報告書]
他から把庫とは、読んで字の如く願望を成す為に他者を贄として利用する呪物の器の仮称である。ここで使われている「把」とは、「束」と同じく「細長いものや薄っぺらいものなど、複数のものをまとめたもの」の意味を持つ。同じく発見場所から出て来た手記によれば、記載している呪物は人間や動物などの皮膚を捧げ、降霊術によって呼ばれたモノに血肉を与える儀式に使用されたと分かった
これらは西暦8○○年(平安時代)に貴族の間で用いられ、庶民を贄に他家の貴族へ呪いを放ったと思われる。当時は埋葬された神社の神主によって、破壊を不可能と判断されて封印していた模様。以上を理由によって九十九神社の当主より、当神社には禁足危険区域と指定されていたが、政府は把握不足を認めた。
(毛筆で「封」と書かれた紙や、注連縄を括られた岩が大きい穴より離れた場所へ置かれた写真)
そして西暦2○○○年、当神社には取り壊し工事が依頼され、自然公園建設予定が企画されていた。担当の工事会社は『株式会社○○○○』(住所:東都杯戸町ーーー以下略)。
(計画書同封)
『株式会社○○○○』は取り壊し作業中、封印を知らずに解いて発掘してしまったと見られる。その際、贄となって封印された人間・動物に恨みを買い、工事の担当者達は全員死亡が確認された。
(山林地帯に小さな神社が書かれた地図)
(廃れた神社と鳥居が写った写真)
(土を掘り起こした穴の中に、複数の人骨と動物の骨に囲まれている木箱が写った写真)
(○月×日ポアロ事件の捜査資料)
(同日株式会社○○○○事件の捜査資料)
以上の被害報告により、呪物が発掘された神社の浄化、及び呪物の速やかな破壊を九十九神社の神主・榊麻衣以下、神社関係者一同が担当する
[捜査報告資料 了]