第28章 〜ホラースポット・ポアロ3〜
【速やかに破壊か隔離しますって。危険な部分だけを除去する事も出来るけど、時間がかかるし残しておくのは良くないんだそうよ】
「でも全然壊せなかったんでしょ?中身を出そうと色々頑張ったけど無理だったって、園子姉ちゃん昨日言ってたもんね」
【ああ、その事ね。聞いてみたらなんか、普通の方法じゃ駄目みたい】
「じゃあどうやって壊すの?」
【さあ?聞いても教えてくれなかったわ、ただ「自分達しか出来ない」らしいけど……】
何とも曖昧すぎるざっくりとした説明なので、分かったような分からないような状態になった
けれど聞いた話から推測するに、例の骨董品は作られた平安時代において『おまじない』に使われ、曰く血生臭いことーーー猟奇殺人が行われたのではないか。そしてどういった絡繰なのかは不明だが、あり得ないほど頑丈すぎる箱に仕舞われて埋められていた。それが現在になって発見されて、今は鈴木財閥に移転した後国の上層部に引き取られた。前日の事故はその何らかの影響で起きてしまっている
所詮はただの憶測だけどそういう事なんだろう。兎も角聞きたい内容は教えてもらえた為、もう少し踏み込んだ質問をしてみた
「だったら、ぶっちゃけ園子姉ちゃん聞けた?あの骨董品の何が原因で死んだのか、どうして事故死なのかって」
【さすがに無理に決まってるじゃない。刑事が関わる内容は機密事項なの。骨董品の話は所有しているからこそ教えてもらえたの。許可があったからアンタにも話してるんだから】
「えっ、許可ってどういう事?」
園子達でも捜査情報を知れない事に落胆しつつ、気になる言い回しを尋ねた。普通はそういう確認なんていちいち問う事もない、細かく注意するものでもないだろう。そう思ったコナンが尋ねてみると、電話越しから園子の深いため息が聞こえた
【ガキンチョ、あんた完全に麻衣に読まれてるわよ。絶対尋ねて来るだろうからって、世間に公開されて推測できる範囲なら良いって】
「そ、そうだったの?」
【ええ。だけど御呪いの内容は一切非公開よ。あんな物騒な物を世に晒すのは不謹慎だし、絶対誰にも広めないって約束できる?守れる?】
「う、うん」
流石にこれ以上話せる事が無いらしい。ホントに悪いけど、と申し訳なさげにそう言う園子にお礼を言い、電話を切ったコナンはポアロの近くまで帰ってきていた