第5章 〜怪盗キッド対策会議
「ボクは小五郎おじさんの付きそいなんだよ!」
安室とコナンがそれぞれ答えた。すると「そうなんですね」と納得する麻衣に、探偵達は自己紹介を始めた
「でも、覚えていたたげて嬉しいですよ。改めて僕は安室透といいます」
「江戸川コナンです。この前はごめんなさい…」
「俺からも本っ当に申し訳なかった…。コナンの保護者代わりをしている、名探偵の毛利小五郎だ」
そうして、安室が何処となく好意的に微笑んでいる傍ら、コナンと小五郎の二人は謝意を滲ませる。表情と声音が落ち込んで暗かった。とは言っても、あくまで後者が本心であって、前者の少年は演技なのだが…。なかなか如何してか偽るのが上手かった。お陰で正面にいる麻衣と広光、洞察力が桁外れの安室以外はすっかり信じきってしまう。けれど、
「…有難う御座います。ですが、どうかお気になさらないで下さい。あの日の事は両成敗で、此方も態度に非がありました」
「そうだとしてもだ。すまねぇな、麻衣さん。此方の方こそ感謝する」
こうして何故かコナンを咎めず、苦笑いした麻衣は快く赦した。最早、当時の彼の様子で反応が予測出来ていたのだ。そこへ小五郎がもう一度謝罪して、頭を下げるので上手く収まった。そして、麻衣は会話の終了の促す
「それでは、憂も晴れたでしょうし我々も席へ戻りますか?警察の集まる会議室なんて、子供を長居させる場所でもありませんし」
「む、そうですな…。外行くぞコナン」
「え?!あ、待って、お姉さん話が…!」
コナンが手を掴んできた小五郎に慌て、咄嗟に麻衣の着物の袖を掴んだ
「ん…?まだ私に何か用が?」
「うん!ボクどうしても聞きたいことがあるんだ!」
「またかコナン…!!テメェはいつも、そうやって他人に迷惑ばかり…!!」
必死に麻衣へ絡み続けるコナンに、小五郎はとうとう怒鳴りつけた。今度は無理やり連れて行こうと、首根っこに手をやるが麻衣に止められた。彼女は困った様子で笑う
「いいえ、良いんですよ毛利探偵」
「しかし……」
「大丈夫ですから。時間も取りません」
異論を認めない確固たる声音だ。言われた以上、戸惑う小五郎も渋々退がって見守るしかないだろう。コナンは好機が来たと内心で嗤った