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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第27章 〜ホラースポット・ポアロ2〜



おまけにビートルの車番を見てみて「もしや」と思った五人が、示し合わせたわけでもなく揃って車窓の中を覗いてみると、中には運転席に阿笠博士(ひろし)と助手席に灰原哀が座っていた。二人は五人の存在に気づくと手を振りながら歩道側である助手席の車窓を開き、上体を傾けるように近づく姿勢で阿笠が声をかけに寄る



「おぉ、待っとったよコナンくん。皆も頻繁に事件に遭(お)うてばっかで大変じゃったのぉ」

「「えっ……」」

「ポアロで死人が出たって聞いて心配じゃった。いきなりメールでここに来るようお願いされてのぉ、コナン君に事情を知らされて驚いたわい。どうじゃ、事件は無事に解決出来たかのう?」

「(げっ!そーいや博士に迎えに来て貰うって事、蘭に伝えてなかったじゃねぇか!)」



何故か阿笠が自分達の近況を知っている事に驚く一同だったが、それを気にせず経緯まで話してくれた彼のお陰でその原因がすぐに判明した。二人を呼んだのはコナンだ。彼は自分が報告を忘れた事について「しまった」と冷や汗を流し、慌てて「コナンくん?」と細めた目つきで自分を睨んだ蘭に向かって謝った



「ご、ごめんね蘭姉ちゃん。急に用事を思い出しちゃって言えるタイミング見つからなくって……」

「もう、今度から気をつけてよ?何回も事件に遭遇するぐらい危ないんだから、何かあってからじゃ遅いんだからね?」

「う、うん」



慌てたコナンが怒られる前に反省を見させて謝ってみると、呆れた表情を隠さない蘭も小言を溢しただけで済ませてくれた。そうしてきちんと心配が故に善意で叱ってくれる幼馴染に対し、己の事件遭遇率を思い出してはきちんと頷き返しておいた。すると、話題はポアロで起きた事故死について移っていく



「それで犯人は結局逮捕出来たのかのう?」

「あー、いえ……違うんです博士。今回は殺人事件じゃないらしいの、死因からすると事故死なんだって」



改めて問うてくる阿笠に対し、蘭が言い辛そうにしながら事件じゃないという結論だけでも明かしておいた。すると「そうじゃったか……」と呟いた阿笠がそれ以上何かを尋ねることはなく、誰かが不慮で亡くなった事実を不憫そうな表情で憂いた。今回蘭達が遭遇してしまった事故は普通じゃない、底知れない闇と謎を秘めている。尋ねられても碌に答えられず、彼が深く尋ねてこなかった事は非常に有難かった
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