第27章 〜ホラースポット・ポアロ2〜
「っ!!これで辻褄が合ったーーー目暮警部!」
「な、何だね?」
「今すぐ黒田管理官に伝達を!この書類の工事会社へ行って担当者達を調査、及び安否の確認をお願いします!なるべく迅速に!」
「なっ?!これは亡くなった男性の……!分かった、すぐに手配してもらおう」
吃驚しつつも何らかを理解した麻衣は血相を変え、目暮を振り返ると口早に彼に指示を出し始めた。すると麻衣から清光が彼女に見せた書類を一枚見せられ、それを受け取りながら工事会社の項目を確認出来た目暮も愕然となって、急かされるまますぐに部屋を飛び出して行ってしまった。突然このような事態になって麻衣達を除く全員が唖然となり、園子は血の気の引いた顔で麻衣へと詰め寄っていく
「ちょっ、ちょっと待ってよ!まさかあの人が死んだの、私のせいってこと?!あの箱が原因だったわけ?!」
「お、落ち着いて園子!どう見ても事故死だっていってたじゃない!」
「そうだよ。仮に他殺の可能性があっても、僕らじゃないのは明らかだ」
「そうだけど……っ」
状況のせいかパニックを起こして涙目になった園子と、そんな彼女の腕や肩を掴んで優しく宥める友人の世良や蘭。三人で騒然となっているのを横目に、苛立たしげなコナンが「どういう事なの?」と低い声で問うた。安室も鋭い目つきで無言になって説明を促している。そうしてピリついてしまった雰囲気の中、麻衣は申し訳なさげな表情で園子を見遣ってきっぱり告げた
「園子さん、私が慌てた指示を出してしまい、誤解させてしまったようです。本当にすみません。あの男性は間違いなく事故死です、依頼品は関連こそしていますが、死因に直結していませんので今後も疑われる心配はありませんよ」
「ホント?!私のせいじゃない?!良かったぁ〜…」
はっきりと言い切った麻衣の弁明を聞いて、半泣きながらすぐに安心できた園子がその場でへたり込むと胸を撫で下ろした。世良と蘭も安堵しきった園子の体を力を合わせて引っ張り起こしつつ、勘違いだった事にホッとした笑顔になっていた。コナンも園子の懸念が勘違いだと分かって良かったと思うも、疑惑を少しでも鵜呑みにしかけ、状況が殆ど理解できずにいる状態は一層ストレスが溜まる一方だ。しかも、今の話から想定するとーーー