第27章 〜ホラースポット・ポアロ2〜
「如何もこうも無いよ。君らが見たものだって遺体から発生したんだろう?彼女の勘が鋭かったって話さ、誰かが死亡した現場でこういう不思議な話はいくらでもあるんだよ」
「へえー、僕はそういう体験した事ないや。でもさ、それって安室兄ちゃん達の話が、あのおじさんの死因に直接関係あるかもしれないってこと?」
「『ある』とも言えるし、『ない』とも言える。曖昧なもんを理屈に嵌めて、一つの結論でまとめるなんて出来ないよ」
麻衣の言葉で世良に浮かんだ疑問は結局、自分と安室が目撃してしまった事象を考えると馬鹿にしきれない。それを『よくある偶然』と答えた清光だったが、こんな実際あったかも証明できない事象などコナン達には未体験だ。そして麻衣達の言葉から得た憶測をコナンが幼い口調で問えば、あまりはっきりしない言い回しをされて、意味が分からず全員が首を傾げた
「えっ、と……?」
「僕らにとっては結論を見出せる事象だけど、君らにとっては判断材料にならないでしょ?現場の映像にさえ証拠が無いんだもん、今のはそーいう意味」
「「(余計に訳が分からないんだが……)」」
言葉の解釈に困っている様子のコナンを見、清光がその意を汲んで更に言葉を重ねてきた。それは改めて謎解きをする以前の問題を突きつける発言であり、その場の者達全員を理解に苦しんで脱力させる。しかし当の麻衣や清光達は安室と園子をと世良に対し、「参考になりました。ありがとうございます」と礼を述べて怪現象を真面に取り合っていた。そうして不思議な三つの現象を深く問い詰める事なく、「それでは次に、現場のカメラ映像を見せてもらえますか」と麻衣が促せば、目暮や佐藤が準備の為に一旦部屋を出ていった
「えっ、安室さん達への聴取はもう終わり?!まだ色々と聞けてない部分もあるんじゃないの?!」
「ええ、ですが実際にどうなっていたのか映像を見てみた方が早いでしょう?敢えて喋って頂いたのは目撃者の確認と、自分の中で抱え込むより吐き出す事で心を落ち着かせられるだろうと思ったまでですし」
あまりに雑すぎる聴取にコナンが慌てて注意すれば、麻衣の本来の目的は園子達の精神的な負担の軽減だと言う。けれどカメラ映像にその出来事は映っていない。そういった出来事があった分かった理由は、それを知れば何があるのか