第27章 〜ホラースポット・ポアロ2〜
「君らも心当たりがあるか」と世良がコナン達にも振るが、彼らも黒煙を見てはいないし、体調が悪くなった事もないと否定した。そもそも黒煙が発生してしまう原理は、石油などの燃料が不完全燃焼になって出てくる煙である。安室が自分の視認した物を黒煙と称したものの、実際は世良が見たいう痣と同じく正体が掴めていない。しかし麻衣と清光達は真剣な面持ちで話を聞いており、当事者同士が困惑しながら議論し合っている中でも、黙考しながら平然としている。そうして安室が信憑性の薄い目撃情報を語った後、次は三人目となる園子の番だった
「ーーーそれじゃあ、最後は園子くんの証言だな」
「えっ、ええ……。だけど私、その、世良ちゃんや安室さんみたいに何かを見たとかじゃないのよ。直感したって言えばいいのかしら、亡くなった男の人が凄く恐くなって。私達以外誰もいなかったのに、実際何が起こっているのか見えなかったのに、何かが遺体にあるような……」
「な、なぁんだ!それって結局、園子姉ちゃんが過剰に怖がっちゃってるだけじゃない?ただの勘違いだよ、変に意識しすぎだったってだけだよ!ねっ?」
世良に促された事で園子も自身が感じた違和感について語っていくが、麻衣と清光と蘭以外からすれば怖がりな園子が神経質に怯えているだけだ。コナンは態とらしく明るい声で気のせいだよと苦笑いで励まし、前述の事象で血の気が引いた顔をしている園子を安心させようしている。すっかり顔色が悪いままの彼女が主張していた「(見えない)何かがいる」発言は、強ち馬鹿馬鹿しいとも思えないとコナンは考えた。無論それは心霊的な意味ではなく、誰かの他殺の可能もあるという話だ。とは言え、所詮はただの直感に過ぎないとも思われるのだが
「まぁ確かに、少年が言っているように園子さんの感覚は恐怖心による影響なのでしょうーーー」
「ほら!巫女さんだってこう言ってるよ!」
「しかし、捉え方は的を射ている。男性の死因にしても、安室さんや世良さんが見た怪現象についても」
「「えっ」」
コナンに続いて園子に声をかけた人間は麻衣だった。麻衣の後押しもあって「ほらね」と言い募るコナンだったが、けれど後に紡がれた言葉に全員が目を見開いて驚いた。世良が「それってどういうことだい?」と問いかけると、今度は清光が口を開いた