第27章 〜ホラースポット・ポアロ2〜
「それでは一つ目、死亡した方はとても痩せ細って不健康そうな身体だったとか。具合が悪かった様子は本当に無かったですか?」
「ううん、喋った時も歩いた様子も普通だったというか。見た目がそんな風なだけで、至って健康なんだと思ってたよ。コナンくんも安室さんもそうだったろ?」
「ええ、疲労が溜まって表に出やすい人もいますしね」
「うん」
先に麻衣の疑問に答えたのは世良で、彼女に話を振られた安室とコナンも頷いた。正直最初は絵に描いたような不審者で怪しく感じていたが、『悪人』に思えていたのは一瞬だけで、今では彼の死因を怪しんでいる
「ならば二つ目、普通じゃないと感じるような事はありますか?言いづらいような不思議な話、気づいた違和感が他にあるなら聞きたいと思いまして」
「「えっ」」
「どんなに些細なものでもいいよ、勘違いだったとしても現場にあった事象はなるだけ把握したいんだ」
次いで#NAME1#と清光からの曖昧な疑問が飛び出し、目暮と佐藤とコナン達は互いに顔を見合わせた。既に現場の詳しい話は目暮達へと報告済みだ、違和感なんて死亡者の死因と最期の言葉ぐらいだろう。それ以外の違和感を持たなかったコナンと蘭はそう思っていた。しかしそんな二人と違って顔が強張っている世良と園子と安室は、小さく遠慮がちな挙手で麻衣に打ち明けていく
「……君の言う違和感かどうかは分からないけど、ボクは一瞬だけ不思議なものを見たよ。防犯カメラを一緒に確認した時写ってなかったけど」
「……私も事件に関係あるかは分からないけど、タイミングが恐かく感じたのよ」
「僕も少々変な物が見えて、すぐに消えたので勘違いだと思ってたんですが……」
世良と園子と安室がそのように話しているのを聞いて、蘭は自分達だけが認知出来なかった事を不気味に感じ、コナンは顎に指を添えながら何故だと考え始める
「それってやっぱり普通の死因じゃないって事?私達以外は誰もいなかったのに……」
「(認知出来るかどうかの条件があったのか?安室さん達と俺や蘭の違い、一番考えられるとすれば遺体との距離か?だけど園子も席で動かなかったし、そもそも三人が同じものを目撃したのかにもよるよなーーー)」
「蘭さん、他殺の可能性は低いのでそう怯えずに。園子さん達は良ければ詳しくお願いします」