• テキストサイズ

【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第26章 〜ホラースポット・ポアロ1〜



詳しい死因は遺体の検査待ちなので、今から断言できる物はないと言う。確かに状況を見れば病か毒か危険な薬物の可能性が濃厚だろうが、コナンはそれで納得しきれなかった。理由はたった一つの引っ掛かり。男の死に際に叫んだ一言、『喰わないでくれ』という言葉が別の死因に思えて仕方ないのだ

あれは病で痛がっている人間の台詞ではない、自分を死に追いやった原因を知覚していたんじゃないのか。遅効性の毒や薬物を疑ってみたが、表現的には何方も違うのだろう。秘密は遺体の中で隠されている。話を聞いた警察側もこの認識には同意したものの、かと言ってそれを正しいとは思わない。男は如何して死んだのか、何に殺されてしまったのか。決め手の証拠がこの場にない以上、自分の頭脳は推理が出来ない。この調子では工藤新一への依頼もきっと来
ないだろう



「(くそっ…!今まで通り現場に出入り出来れば、高木刑事達にこっそり情報を聞ければ!そしたら直ぐに事件が解けるのに、ホームズみたいな推理が出来るのに!!)」



ずっと蘭に抱えられ続けるコナンは、正式な探偵である安室と世良の背中を見上げて役に立たない己を悔しんだ。実際の探偵が務める仕事というのは、自分が小説で得た知識よりも地味なものが多い。裏方メインでこっそり動き、自身の才能や成果を知らしめる事もない。コナンは正直探偵という存在に幻滅しつつある。しかしホームズは変わらず大好きだ。今のコナンの心境は酷くチグハグで、周りの探偵達には嫉妬が、己を必ず止める蘭達には怒りさえ湧いてくる

コナンが一人荒ぶる心と戦っていると、不意に後ろで休憩室のドアが開かれた。そして中に入って来た男は黒田兵衛で、彼が横にずれて現れたのは外で待っていた筈の麻衣と清光の二人だった



「「えっ?!」」

「どしてここに……」



コナン達が思わぬ人物達との合流に驚く中、黒田が目暮達に「どういう事ですか」といっぺんに詰め寄られた。麻衣と清光の方にも主にコナンが混乱のあまり動揺しており、管理官の黒田に説明を委ねていた。すると彼は如何だろう、「彼女達は死因に関わらないが、詳しく知っている参考人だ。捜査は本部に帰って行う」と告げたのだ。コナン達も事情聴取と防犯カメラの確認を済ませ、これきり捜査に関与しなくて良いのだと

コナンは頭を鈍器で殴られた様な感覚に陥ったーーー
/ 325ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp