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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第24章 〜疑わしきは、誰なりや〜



なので沖矢とコナンは二人きりになり、沖矢が向かいの位置に移動して座り直すと梓に追加の飲み物を注文する。二人はすぐに運ばれたコーヒーとオレンジジュースの容器に手を添えたまま、時々喉が乾けばちびちび飲みながらも期待が叶わず沈んだ気持ちから立ち直れずにいる


「……それで、どうしますかコナンくん。麻衣さんはあの通り宛には出来なくなりました」

「どうするも何も、僕らが解ける謎の域を越えちゃってるよ。麻衣さん達は嘘をつく理由がない、証拠もないけど聞いてて現実離れしてるのに『それしかない』って納得出来たしね。何が事実なのかも判断できない」

「確かに、前半の話は実際大袈裟な話ではなかった。しかし我々町民が望んだ事だと、悍ましかったアレを綺麗だと表現する彼らは理解できませんね」


完全に参っている様子のコナンに表情を険しくさせ、自分も全く同じ心境であるが麻衣達の言葉を全て鵜呑みにはしたくない。決して自分達が恐れた影が人を襲った話は聞いた事がないが、精神的に他者を害する存在を無自覚とはいえ生み出したなどと考えたくはなかった


「だけど上辺だけで成ってるって言ってたよね。多分元から悪気とかなくて、拗れた思想がなくても突きつめるとあんな風に恐ろしいものになるとしたら?」

「あくまで推測でしょう。コナンくん、それはーーー」


絶対起こりえない、そういう否定は誰にも出来ない事だ。人間は無意識に過ちを犯す、自分達が麻衣に近づいた時のように。そうして見つかった兆しに思考を巡らせ、すぐに至ってしまった結論で二人は背筋を悪寒が駆け抜ける気がして震え上がった。言われた話をそのままに考え、影を不審者と仮定すると普段の自分の言動と世間の様子を振り返って気づいてしまったのだ



「………どの道我々は捜査が出来ませんし、君の言う通り専門外でしょうね。やはり彼女達の話に確証はないままですが、願いの奥の闇というのは分かった気がします」

「……」



沖矢がそう言って机上でのコーヒーカップを握りしめるのを前に、コナンもオレンジジュースが半分残ったコップを掴んで強張った顔で俯いた。コナン達は探偵故に謎を求め、解明しきった時の爽快感と有名になって認められ、頼られるままに難事件を紐解く事が愉悦だった。そして、町民達もまた探偵達の活躍を期待しているがーーー


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