第24章 〜疑わしきは、誰なりや〜
きっと探偵達が己の才能を世間に披露するたびに、
町民達はその活躍を盛大に取り上げ、
有名な彼らの事件解決を英雄のように称えて
その後に期待していくのだろう。
そんな彼らは良くも悪くも、探偵達が推理力を発揮できる事件を無意識に望んでいるのかもしれない。
探偵達もそうだ、難事件を解決すると得られる爽快感と知名度への歓喜を本能的に欲している
それは誰しも純粋に夢見た悪意無き願いなのだろう
けれど実際に起こる刑事事件というのは、大なり小なり、罪状を問わず、心身ともに傷つく犠牲者達が存在する
あくまで麻衣達が黒い影を『善』と評したのは、誰もその本質に気づかないまま無垢に願ってきたからに他ならないーーー