第23章 〜大阪心霊現象ミステリー 結末編〜
あり得るか否かは兎も角、怪現象の状況証拠と被害報告の様子から誰もがそのように判断しており、それ以外無いと思い至るしかなったーーー
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それから先は、麻衣達の方から警察達に情報が引き継がれ、僅か二日間で麻衣達側も探偵達も仕事が終わりになった。コナン達にとって、ただ只管に振り回されっぱなしだった怒涛の二日間だ。結局は三船家の怪現象に犯人らしい存在はおらず、過去の幻影を追いかけた結果、不気味な殺人犯の隠し物を掘り当てた。コナン達には、やはり最後の最後まで信じ難い事件であった
そして大阪府警への引き継ぎ申請の後、麻衣達は一先ず三船家に帰って三船清次郎とにっかり青江に些細と引き継ぎを報告。その後は家全体と全員にお祓いを行い、三年前の事件現場であった裏山の廃墟へ足を運んだ。奪われた目玉が発見された事、きちんとそれが遺族の元へ返されるだろうという事。それらの報告と共に、被害者達の冥福を祈って三船家に戻った頃には既に夕暮れ時の六時である
これは随分と後味の悪い終わり方だが、依頼は大阪府警を信じて委託したので三船家に集った全員が用済みとなり、荷物をまとめ終えると解散して帰る為に散り散りとなった。大阪住まいの平次と和葉は毛利一行と共に別々のタクシーに連絡をとって到着待ち、唯一安室の自家用車を使って来た麻衣達一行は直ぐに荷物を乗せて一足先に帰っていく
「なぁおい工藤、あの姉ちゃんら普通やないで。うまく言えんけど」
麻衣達を乗せて去って行く安室の車を見送りつつ、コナンの隣で膝立ちになった服部が小声で好敵手(ライバル)の本名を呼んで話しかけた。二人ともその目は険しく前方を睨んだままで、コナンが相槌を打って頷き返す
「……ああ。そんなの大分前から分かってるよ。ずっと不自然な動きを隠しもしねぇし、俺らが見えない何かを認知してるのも躊躇なく言っちまうし」
「まぁな、確かにせやった。多分姉ちゃんらにとっちゃ大したもんやないんやろ。こっちからすれば正に謎、本人やないと分からん事やしな」
色々納得しきれず不満そうなコナンに対し、服部は麻衣の明け透けな不思議さをあまりに気にしていないようだ。と言うのも、妙に隠されれば悪い印象で取る為、逆に疾しい秘密でないと分かればそこに安心するのだ