第23章 〜大阪心霊現象ミステリー 結末編〜
そう言う事なら気にはなるが、夢中で深追いすると危うさを孕んでいるのは分かっている。服部は安室の車が目で見えないほど小さくなった頃、未だにムスッとしている幼い姿の友人に顔を向けた
「工藤、今までもこれからも多分、あの姉ちゃんが慣れた分だけ色んな闇がある。存外知らへんだけで、こーいう事件はわんさか起こってたりするんかもな……」
「………」
「あれは突っかかる相手やない。分野が違ってるだけで、感性がズレとるだけの怪奇専門探偵みたいなもんや」
きっと、これは誰もが解けない謎なのだ。理解しきれぬままに神秘を追い続ければ、その深淵に魅せられ絡まった後は逃げられないだろう。コナンと同じく探究心に溢れる服部だからこそ危惧し、友の才能の故の好奇心にブレーキを促した
「気になるんは分かるけどな、証明がきかへんもんを知ろうとしてもアカン。憶測だけ飛び交うのみや、そのうちイライラしだして恨めしく思う。お前なら思い通りにいかんと、相手が悪く見えて暴走するのがオチやで工藤」
「服部……」
コナンは服部のいうその感情に覚えがあった。初めて麻衣と出会ってから、清光達に釘を刺される前までの自分だ。そんなコナンを平次が勘で理解し、自制心を持て、と遠回しに示唆していた。実際その通りなので言われて気づかされたコナンは、一先ず麻衣のお陰で依頼を早く終えられたのだと考えるだけにしたーーー