第22章 〜大阪心霊現象ミステリー 追求編〜
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女性達と安室が食事の準備を終えるまでの間、残りのメンバーで監視カメラの回収に取り掛かった。実は監視カメラの仕掛けは二階廊下だけでなく、個室を除いた場所に死角がないよう何台も付けられていたのだ。麻衣と三船典子、コナンと平次と安室が謎の電話を受け、あわや揉めかけていた間に小五郎と青江達で話し合って設置したらしい
よって、まずは最初に確かめておきたい二階廊下の監視カメラを回収しようとしたのだが。その為に一旦庭に出て梯子を登ろうと外を目指す一同に向けて、三船清次郎が「遠回りせんでも大丈夫や」と待ったをかける。これには全員が不思議に思って首を傾げ、その代表で小五郎が清次郎に問う
「え?ですが旦那さん、廊下の血痕を踏まないように行くには庭に出ないと行けないっすよね……」
「それはそうなんですが、妻と一緒にこの家で起こる現象について話したでしょう?犯人の形跡が見つからんと。警察が捜査に来てた時もそうやった。あの血痕もそのうちの一つや、時間が経ったらいつの間にやら消えよる」
「「(なんだって?!)」」
きっと今頃いつものように。そんな洒落にならない話を聞き、いの一番に駆け出したのはやはり平次とコナンだった。三船夫婦がブルーシートを被せて以降、三船家にいる全員が一緒に行動している。血痕を消せる可能性があるのは外部の人間のみだ。平次とコナンはすぐさま二階への階段を駆け上がり、まず見えたのは血痕の上に変わらず被せられた大きなブルーシートで。パッと見では全く違和感がない
「……どう思う工藤。外部の奴がいつ戻ってくるかもしれん俺らに隠れ、短時間であんな大量の血痕を消すんも、ブルーシートまで気遣うんも難しいで」
「……ああ。ただの怪奇現象に見せたいだけの奴なら、俺も犯人がリスクを犯すのも血痕を消す意味も分からねぇよ」
そう言って、ブルーシートを前に睨みながら唯一の物的証拠を睨みながら話す服部平次とコナンこと工藤新一。そう、これが普通の事件であったら、証拠を前に謎の緊張感や警戒を抱く必要なんてないだろう。しかし彼らは既に知っている、この家に起こった凡ゆる事が自分達の理解の外にあるのだと
故に彼らは嫌な予感と薄気味悪さがし、誰より速く確かめようとこの場に来た。ドクンッ、ドクンッ。心臓をそばに感じられるほど二人の心拍数が緊張感で上昇する