第22章 〜大阪心霊現象ミステリー 追求編〜
この一連の会話を聞いた安室は、まさかと目を見開いて唖然となる
「まさか麻衣さん、この家に起こった怪奇現象の正体が分かったんですか………?」
「「ええっ?!」」
「なにぃ?!」
「何やて…!!」
「(なんだと?!)」
蘭と和葉と三船夫婦は心底驚いた様子で衝撃を受け、小五郎と服部とコナンは『自分達はまだ解けていないのに』という感情を露わに、焦燥か滲むような度肝を抜かれた驚き方をした。すると麻衣は顎に手を添え、言葉を選ぶように悩みながら小さく頷いた
「……ええ、まぁ、正体というより原因は分かりましたが」
「じゃ、じゃあ教えてよ!僕知りたいなぁ!」
何処か躊躇いがちで遠慮して話す彼女に、コナンが年相応の子供っぷりで駄々こねてみる。何せ、この場には有能な探偵が数人いながら真相にたどり着く様子がない。麻衣が僅かに遠ざけていた事もあるが、コナンと平次はその場を潜んで目撃出来ている事案もある。絶対、最初から何かを掴んでいたのだ。それは平次も密かに勘で察しており、麻衣の逃げ道を塞ぐようにコナンに続いてニヤリと挑戦的に笑う
「それもそやな、俺らに解けへんかったトリックがどんなんもんか。是非とも推理を聞かせてほしいもんやで」
「……そうですか。私は探偵ではなく巫女なのですが、ええ、それで良いというなら話しましょう。ですがーーー」
自分は巫女なのだ、故に探偵の如き完璧な推理は出来ず、納得のいく展開は望めまい。それでも構いませんか。それを全員に問うた彼女は、念押しをあまり期待するなと言いたいのだと受け取って全員了承したのを見ると打ち明ける決心をつけた
「ではまずいい加減食事を摂ったり、夜間の監視カメラを回収したり。話し合いで夢中になり過ぎるのは良くありません。色々済ませた後で始めましょう。警察署にも参りますし」
麻衣の言葉で一同が確かにと思い至り、一先ず諸々の用意を終わらせようとその場は解散となった。それによって全員が立ち上がり、女性達と安室が朝食作りへ、清次郎は部屋に着替えに戻り、青江達と探偵三人も一度部屋に戻る事にした。それぞれが各々の目的に向けて動き出す中、平次とコナンと安室は何故か、同時に何気なく自分達が囲っていた大きなテーブルの上を見た。何かが足りない、そんな違和感を感じて首を傾げていた