第22章 〜大阪心霊現象ミステリー 追求編〜
「お、おじさんストップ!青江さん達の言ってる事は嘘じゃないと思うよ?」
「あぁん?」
小五郎は青江があっけらかんと言い放った、俄に信じがたい証言を聞いて苛立ちを爆発させた。元より自分達だけで異様さを当然のように理解し、一線を引いた態度で接する様を密かに不気味に思っていた。青江のふざけたように取れる発言と、大した事はないという態度にいよいよ滾っていた怒りが湧いていたのだ。そこへ麻衣達に怒鳴る小五郎をコナンが説得にかかり、嘘じゃないと言い切る少年の発言に小五郎の掴みかかりそうになった勢いが削がれた。そして麻衣と、昨晩起きていた三人組以外が困惑しつつコナンに顔を向けた事で、内心揉めずに安堵しながら皆に向けてコナンが続ける
「だってボク、安室さんと平次兄ちゃんと聞いたんだよ。青江さんと数珠丸さんが二人だけでしてた会話、確かに小さな女の子が何かを探しに来たらしいって話してたもん。二人きりなのに嘘の会話する必要ないし、本当にそういう子が廊下に来たんだよ」
「べちゃべちゃっちゅう不気味な音も、女の子の呻き声も聞こえとった。そんで廊下に赤い手形やら、引きずった跡が残っとったら間違いなくホンマやったんやろ。しかも出て来たっちゅうその女の子、全身致命傷やのに動いとったっちゅう話や」
「「はぁ?!」」
「「ええっ?!!」」
コナンに次いで、服部までも青江達を横目に睨みつけては証言するので、何も知らない三船夫婦と毛利親子と和葉は声を上げて驚いた。よもや、自分達が寝ている部屋のそばでそんな血濡れた邂逅があったとは。青江と数珠丸はまさか安室達が起きていたとは思わず、「おやおや…」と揃って呟きながら目を丸くして驚くばかり。するとすぐさま我に帰った小五郎が、「おいおい、ちょっと待てぇ?!」とテーブルをダンッと力強く叩くように前のめりの態勢になって青江達を詰問する
「って事は何か?!てめぇらは死にかけの子供助けるどころか、放置して犯人ごと行方知れずにしたのか?!」
「いやいやまさか、救えるモノなら助けていたさ。だけど実体がないうえ、『探してる』なんて言われちゃ十中八九、ねえ?」
「一応、我々の話を裏付けるために証拠の映像を一晩かけて撮れました。今も設置したまま撮影中なんです。まぁ、とても一般人が真面に見れたものでは───」
「嘘や!!」