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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第17章 〜手を取り合う架け橋〜



麻衣は安室透が喫茶店のアルバイター兼探偵として、一般人の生活を送る相手として何回も会っている。しかし今日(こんにち)の会合において、互いの組織に顔を合わせる人物の名前が公開されていたのだ。つまり麻衣と本来の姿で会うのを承知で、この場に訪れている事になる。麻衣はそれが何だか、少し気まずく感じたのだ

何故なら、公安警察による偽名や身分偽造を行う捜査は、必ず厳重な守秘義務が課せられる。だから安易に表に出ては任務に支障を来すので、代行者を立てる事が求められる筈なのだ。しかし、今現在で、麻衣の前には安室が座っている。事前に教えられたメンバーの名前は、黒田兵衛、風間裕也、降谷零の三人だった


「(……安室透は公安警察の任務で使っていらっしゃる偽名。そして、彼の本名は消去法で降谷零さんですか)」


先に挙げた二人は以前の任務で交流した者達だ。恐らく、この人選は互いの組織が配慮した結果なのかもしれない。麻衣はそんな憶測を立てる傍ら、動揺する自分を律していた。これは大事な仕事の一貫なのだ。いくら知り合いだからといって、生半可な姿勢や覚悟で態度を緩めるつもりはない

何故なら、彼らが総じて組織や立場を違えど、日本という国を守護する愛国主義者に他ならないからだ










それから彼らは、暫定五時間以上に及ぶ話し合いを繰り広げる事になる。その内容は全て国家機密に該当するものであり、会議を始めてすぐの時に全員が血判書へのサインを書いていた。血判書とは強固な誓いの文章を受諾し、自分の血を使って捺印するものだ。一体如何いった話が齎されるのか、全員が気が気じゃない思いで参列する

そうして、いざ始まった組織同士の歩みより。まずは公安側から、と言って先手を申し出たのは降谷だった。彼は黒田や風間とかわるがわる、自身の任務なのだと打ち明けた上で、余す事なく情報を開示した

通称『黒の組織』と呼ばれる犯罪シンジケートの存在を。降谷がそこに潜入調査で幹部入りしていることも語られた。何でも彼らのコードネームはお酒の名前であるらしく、判明している構成員の顔写真や詳しい罪状が載った資料が何十枚と渡される。麻衣は相当慎重にならないと危険な組織なのだと実感した。しかし逮捕しようと奮闘するも、降谷達は大元の人物について未だ辿り着けないらしい
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