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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第17章 〜手を取り合う架け橋〜





その日、麻衣は離れの自室で正装に身を包む。それは決して黒いスーツや一般的な巫女服ではなく、審神者の仕事用に準備された畏った服だった。同じく緋袴姿であるものの、他のデザインの違いやメイクの完成度合いが本格的で貫禄を魅せる。彼女が全身鏡で身なりを整え、側の文机に唯一置かれた写真立てを見やった


「……今日も一日志保と私を見守っていて下さい、明美さん」


そう呟いて彼女が微笑む先には、茶髪のロングヘアの女性を中央にして麻衣と灰原哀に似た女性が仲良く笑い合う思い出の品があった

さて、そんな彼女はこれから、ある難題に取り組もうとしている。それは先のシユカメ山の惨殺事件の際、合同捜査を行なっていた警視庁公安部との連携の締結。即ち完全な協力関係を結ぶ取引を行う事だった











到着までもう間もなくだ。そう告げられて、降谷と風見は黒田の運転のもと九十九神社の近くに車で訪れ、徒歩で神社の奥に進む。境内を過ぎて本殿の前に来た時、ちょうど麻衣の部下と思しき水色の髪の紳士的な男が出てきた。これまた今までと同様美形である。男は3人の中で最前にいる黒田、そして左右の降谷と風見の事を目に留め、礼儀正しく一礼する


「ようこそ来てくださいました。私は粟田一期と申す者です。どうぞ中へ、主がお待ちです」


そう言って一期が歓迎の意思を告げると、先に入っていくその後ろに刑事三人組も続いた。そのまま四人で境内を進み、本殿に上ると最奥の部屋まで案内された。安室はその道中にキッドの件で踏み入った場所を見つけたのだが、案内された場所はそこを過ぎて内側に面した十畳ぐらいの部屋である。「失礼します」断りを入れて、先に正座で姿勢を正す一期が入室した


「主殿、警視庁と警察庁の公安部の方々がお見えになりました」

「そう……。案内ご苦労様です、お通ししてください」


無事に許可が降りたようだ。一期にさぁ、と促されるままに刑事三人組が入室していく。その順番は黒田に風見、そして安室透と名乗ってきていた降谷が会釈と共に入室する。すると事前に部屋で待機していた責任者、麻衣が目を見開いて驚いた


「(なっ?!この人、他人の空似じゃない…。まさか、安室さんが警察官だったとは…)」


正直、全く予想だにしない人物の登場だ
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