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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第15章 〜山姥伝説 前編〜





当日の朝、七時といえば陽が明るくて通勤ラッシュ只中の時間帯だが、田舎はそうでもないらしい。○○県の△△市にある一般自動車道を一台の黒いアルファードが駆け抜けた。そのアルファードに乗っているのは、麻衣を始め護衛が六振り。メンバーの名は運転席に座る山姥切長義、助手席にはにっかり青江。二列目は運転席側から山姥切国広、麻衣、そして五虎退だ。更に三列目だと、源氏の兄弟刀と言われる髭切・膝丸、助手席側には五虎退の眷属である大虎もいる

この一行は××村を目指し、山沿いにある道路を走行中だった。そのまま暫く道なりに進むと山の中に入っていく道筋があり、長義はそこを曲がっていく。すると途端に、空気がガラリと変わって車内の温度が下がった


「……随分濃ゆい瘴気と死臭を感じるな。ここは本当に現世なのか?」


本来キリッとしている秀麗な顔を歪め、半信半疑そうに呟いたのは薄緑色の髪をした男。源氏の重宝・膝丸だ。そして俄かに警戒しつつ窓の外を見やり、のんびりとした口調で返す者がいる。淡いクリーム色の髪で穏やかそうな美丈夫、同じく源氏の重宝・髭切だ


「うーん、信じがたいけど現世なんだよねぇ。事前の報告によると、村人達も狂った様子はないらしいし…。多分住み慣れちゃったか、穢れに鈍いだけだと思う。外部から来た人間だったら保って三日ぐらいかなぁ」

「三日……。それが『私達』のタイムリミットなんですね」


はぁ、と吐息まじりに漏らす不愉快そうな源氏兄弟達の前で、二列目の真ん中に座る麻衣が険しい顔で硬い声音を出す


「念のために、『彼ら』に護符を刻んだ物を渡しておいて正解でした。正直ここまで酷い瘴気なのは想定外でしたし…」

「ああ。今回捜査で動く組織は俺達だけじゃないんだったな。警察内でも特に秘密主義とされる部署、存在しない組織であれと言われる場所、……公安警察だったか?確か霊障の類に関して全くど素人だと聞いてるが…」

「まぁ犯人に検討がついてないし、人か妖かすら判断されてないからね。上層部の連中も被害を抑えるべく、早期解決のために事前の打ち合わせすら惜しいと、現地集合させたわけだ。だから、目印として護符を渡す事ができたよ」


麻衣の後に続き発言したのは、二つの山姥切の名を持つ刀達。一振りは金髪碧眼が美貌を引き立てている男、名を山姥切国広
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