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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第12章 〜持てるものこそ与えなくては 前編〜



そんな彼女に頷き返す長義だったが、とても頼もしげな微笑を浮かべている。「ところで」彼は視線を移してサッカーで遊び始めた子供達、正しく言うならその後ろにいるコナンと灰原、離れたベンチに座る沖矢を見て言った


「最近よく聞く厄介な連中らしき特徴に似てる人間達を見かけたね。子供達は一応人間として治まっているようだが、器と魂が合わない存在なんて普通はありえないよ」

「!!」


長義の子供を複数指す言葉に、麻衣が両目を見開いて驚く。そうして一瞬動揺したものの、すぐに我に返って厳しい顔つきになった


「……『達』というのはつまり、茶髪の少女も同じという事ですか?たしかに不思議な事が多いですが、目の前に在るのは事実…。少女の方は今日が初対面なのですが、他二名も神社に来た時の様な険悪になる要素は見られません。なので取り敢えず、様子見として他人行儀に接しておくべきかと」

「つまり『来る者拒まず、去る者追わず』といったところかな?優だね。互いが不快にならない、適度な距離感を取るのはたしかに大切だよ。不用意に秘密を詮索して踏み込むべきではないね。まぁ、麻衣嬢は人付き合いに誠実な反面、きちんと境界と節度は弁えてたけど…」


コナンと沖矢に加え、灰原までも不審な部分があると見抜いた麻衣達。長義は彼らへの無難な対応として、【優』の評価を下す。彼としても麻衣に危険が及ぶ相手と、深入りした関係になってほしくないのだ。そして肥前は、長義の言葉にふと思い出す事があったようで、頭を掻きながらも記憶を引っ張り出す


「あー……そういや昔、お嬢が珍しく護衛を外して仲良くしてた歳が近い女達がいたな」

「ああ、そうだったね。名前はたしか姉が宮野明美、妹の方は志保じゃなかったかね?」


本当にうろ覚えらしい肥前と、何やら含み笑いを浮かべる南海がふと意味ありげな会話をする。それは確実に何かを察していて、長義は彼らの話を聞いて目を丸くした。如何やら彼にとって初めて知った事らしい。しかし彼らの疑問に口を閉ざしたNAME1#は、黙ったままでその瞳を伏せた


「(……本人は違うと言っていましたが、やはり彼女は似すぎている)」


そう思いながら、脳裏に浮かべた女性は身長を省けば灰原の容姿と瓜二つだ。あまりにも懐かしい面影なので、見た瞬間に『志保』と呼んでしまった
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