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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第12章 〜持てるものこそ与えなくては 前編〜



「そうかい。それじゃあ私にもお茶を買ってきてくれないか」

「ならば肥前、私にも一本お願いします」

「へいへい」


鞄から配布を取り出す麻衣から受け取り、二人に適当な返事を返しながらさっさと公園の入り口近くに向かった。そこには一台ポツンと佇む自販機があって真っ直ぐそこに歩み寄った。すると傍には公園を駆け回っていた元気な子供達がいたが、肥前の堅気とは遠い気配に圧され、「ひえっ」と悲鳴を上げると逃げるように離れてしまった

とは言え、そんな事で今更落ち込みもしない。自分が物騒な出立なのは自覚済みで、普通に接してくれる相手は本丸の仲間達ぐらいなのだ。子供達は男二人と女一人の三人だったが、新たに公園に入ってきた四人組、男女の子供二人に初老と大人の男性二人を見つけて嬉しそうに駆け寄って行く


「も〜、遅いですよ阿笠博士(はかせ)!コナンくんも灰原さんも!」

「あれ?なんで昴の兄ちゃんもいんだ?」

「私達が出かける所を彼、タイミングよく散歩しに玄関から出てたのよ。それで江戸川くんが誘ってついてきたってわけ」


タイミングよく、と言うわりに何処か棘を感じる声音だ。灰原と呼ばれた明るい茶髪の癖っ毛な少女は、『江戸川くん』と呼んだ少年・江戸川コナンと『昴の兄ちゃん』と呼ばれた沖矢昴を恨めしげにジトリと睨む。阿笠博士(はかせ)というのは初老の男らしい。肥前は幼い子供達の高い声にチラリと集団を見たが、すぐに自販機にお金を入れて飲み物を買っていった

そんな彼の視界の端で、コナンと沖矢の二人が肥前を見つめる気配が感じながら───










沖矢がコナン達と鉢合わせたのは、灰原の勘のとおり決して偶然などではなかった。事前にコナンから情報をもらい、住んでる場所が向かいなので様子を伺いながら態と同じタイミングで家を出たのだ。こうしてコナンと再び会うのは、九十九神社で榊麻衣と護衛達に初めて出会った時分以来か。この日の予定を電話でコナンに齎された際、沖矢は再びポアロで彼女と会ったのだと聞いていた

曰く、自業自得だけど、やはり護衛達から敵と遭遇したみたいに警戒されたらしい。しかし麻衣は全く怒りを見せず、きちんと謝罪すると笑って赦してくれたと言うのだ。そして恐らく此方が彼女に危害を加え、酷い態度を取らない限り接触しても咎められないだろうとも
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