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【刀剣乱舞】波乱万丈、犯罪都市【名探偵コナン】

第11章 〜喫茶ポアロに、事件の残り香〜



優秀な探偵である世良に限って無いだろうが、勘違いという可能性も考えたうえの行動だった。するとその時、麻衣は申し訳なさげな笑みを見せて言い放った


「……ごめんなさい世良さん、そういった事を語るのは止めたいです。たしかに私は確信を持って犯人を告げました。しかしそこには科学的根拠も無いし、既に犯人が捕まっていると警察から連絡を頂いています。なので神職に身を置く立場としては、あまり重要な理由もないまま、殺人事件を語りたくないのです」

「「……!!」」


敬語で柔らかい言葉遣いであるが、最後にはっきり嫌だと告げてみせた麻衣。その言い分には探偵二人の言動に対する厳しさもあって、全員がハッと息を呑むと罪悪感に落ち込んだ。彼女はすでに終わらせた事件を、救いもなく語るのが嫌だったのだ。そんな彼女の心中を察し、世良はやってしまったと後悔しながら気まずげに頭を掻いた


「……うん、分かったよ。君が素直な性格で正直かなりホッとした。僕は自分の探偵の性で誰かが不快になるのも、傷つけるのも、謎解きに溺れることも嫌なんだ…。だから君が謝る必要はなくて、僕の方が『ありがとう』と『本当にごめん』。今のは流石に自分でも無神経だと思ったよ」

「ですが元は私の体調を案じた故でしょう?それに気になった事を追求するのは悪い事じゃありません。こちらとしては、気持ちを汲んでもらえて安心してます」


発言のとおりホッと安堵して微笑む麻衣に、「今後は気をつける」と苦笑いで肩を竦めた世良。ここで周囲もやっと緊張が溶けて、無意識に小さく息を吐く

その光景をカウンターから遠目で見ていた安室が、空気を読んで遠慮していた梓を促し七人分の食事を運んだ。麻衣と蘭と園子の前にはハムサンド、コナンにはカレー、世良と骨喰はナポリタン、最後に鯰尾の前にペペロンチーノが置かれた


「ハムサンドはポアロで一番人気のメニューなのよ!安室さんが作ってるんだけど、すっごく美味しいから女性受けいいの!」

「あはは、そうやって手放しで褒められると照れますね…。だけど自慢の一品なので、僕自身もオススメです」


ちょうどいいタイミングで来てくれたので、ややハイテンション気味になった園子が麻衣に早く食べるよう急かした。すると彼女が、促されるままにハムサンドを一口かじったのだ
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