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【最】共に居る

第4章 変化


次の日。
悟空が朝食をとりに行くと無人の食堂。
宿泊者も自分達しか居ないのだろう、朝にくる客も居らず、仕方なくカウンターに座れば
「おはようございます」
と綾に声をかけられる。
「あ、おはよう・・ござい・ます」
慣れてない丁寧語と辺りを見回し
「誰も起きてきてねーのな」
と笑うと
「おはよー悟空」
と欠伸をしながら名がカウンターに入ってきた。
「おはようコウメイ!」
「名、お客様の前で欠伸はやめなさいな」
綾から注意を受けている光明を見て
(名?)
と思いつつ、朝食の支度のために綾は厨房に行き、その間も
「名?」
と不思議がる悟空に
「あぁ、私のね、本当の名前。」
とにやける名に
「コウメイは違うの?」
と訊けば名は昨日の出来事を話してくれた。
「妹?!三蔵の?!」
「妹っていうか兄弟弟子?」
「全然似てねーじゃん!!!」
「まぁ、血は繋がってないからなー」
「だってコウメイ、いや名か。名は三蔵みたいにすぐ怒らねーじゃん!・・・・あ、けど静かな時は似てるか??でも、えー!!」
悟空は表情をくるくるさせる。
それを楽しむ名とそこに
「朝からうるせぇ」
と三蔵が起きてくれば
「寝起きもこんなに悪くないだろ?」
と三蔵を指す悟空。それを無視し
「茶。」
なんて一言で名はすぐにお茶を出し、悟空にもと出されたお茶を三人ですする。
静まった店内、奥から聞こえる調理の音、その朝の一息を三人で共有している様で
(なんだか昔から一緒みたいだ)
と悟空の心を暖かくした。
それから八戒も起きてきて三人で朝食を取り、丁度悟浄が起きてきた時、宿の扉が開き守備隊の青年が神妙な面立ちで入ってきた。
「光明」
と名を呼べば、名も表情を強ばらせ急いで上の部屋に駆け上がる。
すると綾が心配そうに
「今度はどこで」
とその青年にたずねると
「町の外。入ってくる前に片付けるけど、しばらくは中に・・・」
「ショウ!」
そこに、青年と綾の会話を割って名が入ってきて、その格好は出会った時と同じだった。
「蒼」
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