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【最】共に居る

第3章 確定


店が終わり、客が帰って閑散とする食堂。
「片付けが終わるまで大丈夫ですよ」
と言われてまんまと残る三人。
「で、どーすんのあの子」
ふーっと悟浄が煙草の煙を吐きながら、せっせと片付けのため店内を行ったり来たりする名を目で追う。
「連れて行くんですか?」
と八戒。
「一応ー兄妹だし?」
「戦いになった時が心配ですが・・・」
「女ってとこはいーのね」
「あ、それに後ろ狭くなっちゃいますね」
「・・・ソーネ」
連れて行く事前提の八戒と、それに呆れる悟浄。
その間で煙を吐く三蔵は
「あいつ次第だろ」
と他人事。
「やっぱり心配なんじゃないお兄ちゃん」
と語尾にハートをつけて小馬鹿にしてくる悟浄に眉間にシワをよせれば
「誰が名の兄なんだって?」
とカウンター奥から料理番であろう男が出てきた。
「もしかして綾さんの・・・」
「ジエウだ。」
体格の良いジエウは酒瓶とお猪口を4つ机に置いて4人で飲み交わす気満々の様子。
「俺の奢りだ」
なんて言えば後ろでは名が「ほどほどに!」と注意してくる。
それから八戒が代表して自己紹介をすると
「じゃぁあんたが」
と三蔵に酒を注ぎ乾杯を求めてくる。
「なんだ」
と返せば
「名との再会の記念に」
と嬉しそうな顔をするジエウを見て、三蔵はジエウからの酒を受け取った。
その後、八戒と悟浄とも乾杯をしてすっかりジエウのペースになると
「兄さん達酒が強いなぁ!」
「あんた程じゃねーよ!」
とすっかり意気揚々とするジエウと悟浄。その横で表情が変わらない八戒と少しつらそうな三蔵。
カウンター内では仕事を終えた綾がお酌をし、名と共にジエウを挟む形で座る。
「こいつは本当、あんたを待ってたよ」
綾が眠りにつくため食堂を後にし、それでも5人で飲み交わし、名もその場で眠った頃、ジエウがそう言った。
「俺は最初事情を知らなくてな、綾が連れて行きたいと言わなかったら連れて来なかっただろう」
「付いていきたいと言わなかったんですね」
「姉の邪魔はしたくないんだと。けれどもこっちに来たところで当時は弟も居るし、宿もやるしでそれなら来てもらおうって形で落ち着いたんだ。」
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