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【最】共に居る

第3章 確定


「だろ?」
そう光明に同意を求めると、光明は一瞬で冷静になり、客を見送った後に一息ついて
「だろ?って、今頃ですか?」
と三蔵には目もくれずグラスを片しだした。
「・・・・髪色のせいだ」
「・・・この髪色、色々不便なんです」
「・・・・」
「・・・・」
感動の再会だと言うのに無言の二人。
そればかりか少し険悪なムード。
「そっちこそ無反応だったじゃねーか」
とその空気を切ったのは三蔵だったが、それを気に
「はっ、忘れるわけないですよ亅
「ならそっちから話しかけりゃ良いだろ」
と三蔵。
「こちらに気づいてない様子だったのはそっちじゃないですか!」
と名が少し痛いところをつけば
「未だ、その名で居ると思わねぇだろ!」
「貴方がこの名で居ろと言ったんです!」
と三蔵と名の言い争いが始まり、
「まぁまぁ」
と間に悟浄がはいろうとすれば
「なんだ」
「なんですか?!」
と二人に返され、面倒くさそうな表情で白旗をあげる。
「はは、知った感じですねぇ」
と笑う八戒に
「あれで血繋がってないとか嘘でしょ」
と悟浄が苦笑し、そして二人はまた無言に。
「なんで今更。慶雲院はどうしたんです。もっと東に居るはずでは??」
「・・・なぜ知ってる」
「うちは宿屋ですよ?各三蔵の居場所位分かりますよ」
ふん、とする名に
「玄奘三蔵一行の噂の方は知られていない様ですね」
とこそりと八戒、
「知られたら心配しちゃうでしょー」
と悟浄。
そんな言い争っている二人を気にして綾がカウンターに入ってくると
「久々ですね。名の名を聞いたのは」
と名の肩を抱く。
「姉さん・・・」
と名の少し寂しそうな表情と
「世話をかけた」
と言う三蔵。
「ご予定はもう一泊でしたよね。今晩はもう遅いですしまた明日お話なさったら如何ですか?」
そう綾が勧めてきたが
「別に構わん。生きていたのならそれで良い」
とスパッと言い切る三蔵。
「少しは感謝しろよ」
「そうですよ三蔵、せっかく再会したのですから」
と悟浄達が推してくる。
「生きてりゃ会うだろーが」
「って何年待たせてんのよお兄さん」
呆れ気味の悟浄達だったが、そう言ってもなかなか部屋に戻らないのはそう言う事なのだろうと察し、しばらくそのまま居る事にした。
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