第3章 私と棗
ルカはそんなのを気にせず私の頭を撫でた。
こんな事望んじゃダメなのに居心地が良くて私は突き放せなかった。
だから余計にやったことは付き合ってるのかなぁって声が飛ぶ。
「紫苑は何も気にしなくていいよ」
そう言って笑うルカに私は頷く事しか出来なかった。
きっと忘れてた心。
人を好きになるって事
多分、いや私はルカが好きなんだと思う。
だから突き放す事も出来ないし…居心地が良くて離れたくないんだと思う。
そう思うとルカを見るだけで恥ずかしくなってきた。
ん?
ルカはそう言って首を傾げるから私は俯いた。
「おい、お前ルカのなんだ?ルカに近寄るな」
…。
棗が
後ろから歩いてきた。不機嫌そうな顔
そりゃあ、そうだ無理矢理部屋に帰らせれて聞きたい事は聞けない
言いたい事も言えなかったし。
「棗そんな言い方しやんくてもええやろ!」
後ろから蜜柑もやって来た。
蜜柑を見ると舌打ちだけした。
蜜柑が居ると棗は何も言えないらしい。そこまで好きなんだろうなって思えた。
だから私は
「あまりしつこいと蜜柑に嫌われるよ」
そう言ってふふって笑うと棗は舌打ちして蜜柑の元へ向かっていった。